【詩】小さな春にあめのふる
あの日 笑おうとしたあなたのために
濡れることを あきらめたの
はなの色のワンピースは いまでもほら
ひらり
ひらり
汚れてなんていないわ
いつだって
いつだって、
空なんて眺めなくていいのよことりとも鳴りはしないでしょう
あなたの鳥はもう行ってしまったのだから見上げたりしないで
指のすきまをもっとぎゅっと閉じて塗りつぶしてしまえばいいの
どこにもゆかずにこの場所で咲いて。
さいて
──さいて。
春のように 花のように 笑っていてね
わらっていてね
飲みほしてあげる
かざしてあげる
あなたが花でいられるように
もう、濡れたりなんてしない。
あなたの雨に
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