37歳でガチで怒られたけど、怒気変圧器に助けられた話

今でも思い出すと、なんとなく落ち込むというか、

嫌な気持ちになる。


怒りの矛先は私

その日は、クライアント先での打ち合わせ。

前日まで必死になって準備した資料とスケジュール。

打ち合わせは大人数で、私が担当する業務以外の話が先に行われた。

そこまではスムーズだった。


いよいよ私の番。

クライアントの担当者から開口一番、

「スケジュールどうなっているんですか!かなり遅れてますよね」と。

え、いきなりめっちゃ怒ってる。

それから延々おそらく10分くらいにわたって、

強い口調で怒られ続けた。私が口をはさむ隙なく。


要はスケジュールが遅れていること、

それを方々にきちんと連絡・報告しているのか、

していないならすぐにしろ、ということだった。


これだけ見れば至極まっとうな指摘。


でも、違うの。


それ、わたしのせいじゃない


スケジュールが遅れているのは、

その担当者が確認して戻してこないから。

方々に連絡できないのは、いつ戻ってくるかわからないから。


でもまともな社会人として、

冷静に考えれば、私のせいでもある。

スケジュール管理は私の仕事。

戻してこないなら、戻してくるように努力しなくちゃいけないし、

いつ戻ってくるかの言質をとらなくちゃいけない。


忙しさにかまけて、

クライアントのせいだし

とごまかしていたのは事実。


それにクライアントの上司も同僚もたくさんいる席で

私が言い返せるはずがない。

余計に怒らせることになる。


ここは黙って謝るのみ

と判断し、下を向いて謝り続けた。


怒られること

正直、堪えた。

37にもなって、こんなにがっつり怒られるなんて。


大人になると、怒られる機会はあまりなくなる。

というか、私はもともとあまり怒られない。

うまく立ち回るのが得意だし、

よくない雰囲気を察知したら、先に謝る。


そんな私は怒られるのがあまり得意でない。

怒られるのが得意な人なんているのかと思うけど、

たぶんいる。

怒られ慣れていて気にしない。すごい前向きな人。



同僚の言葉

打ち合わせ終了後、そのクライアントを営業として担当していて私の隣に座っていた、Mが私にこう言った。

「あれ、パフォーマンスっすよ」

私は、「えっ」と思った。

M「あれはIさんが自分が遅れているの社内の人に対してごまかすためにやったパフォーマンスっす」

「そ、そうだったのか」

M「でも、俺ああいうことあったらもう向こうに何も言わせないくらいの

スピードで進めることにしてるんです。悔しいんで」

「そうだね、私もそうする」


まだまだ心は落ち込んでどよんとしたままだったけど、

Mの言葉で

「落ち込み」から「なにくそ」に私のこころの大半は変わっていった。



Mは先に述べたような、「怒られるのが得意な人」だと思っていた。

怒られても気にしない、響かない。


そうじゃなかった、彼は怒られたことを別の力に変換できる

怒気変圧器なのだ。

そう、あれ、海外でも日本の電気機器が使えるようになる変圧器。

あれがあれば強い。だってどこでも戦える。


Mのおかげで私も少しは強くなれた。

またどうせ落ち込むけど、

そういうときはナチュラルに変圧器を持っている人に

助けてもらおうと思う。

#あの失敗があったから

いいなと思ったら応援しよう!