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かげろう奇譚#10(石ノ森章太郎萬画館)

萬画館を出て 入口でもう一度写真を撮りながら

和美は再び 『闇の風』のことを 思っていた。


作品自体は大きなヒットとはならず、19週で打ち切りとなっている。

よほどの 石ノ森ファン、マニアでもない限り

誰も覚えていない作品に違いない。


まして 和美の幼い頃の話など、誰が信じようか。

夢でも見たのだろうと、一笑にふされて終わりだ。


そして それは ほんとうに 夢から始まったのだから。

帰りの車の中で 萬画館のパンフレットを開いた。

館内の様子や この萬画館が作られた経緯が書かれていた。

石ノ森の出身地 登米郡中田町に 「石森章太郎ふるさと記念館」があるせいか

石ノ森自身については簡単な略歴、そして膨大な作品年表は

載っていなかった。

そのかわり 彼の長男 小野寺丈、次男 章、 両氏がセレクトした

200作品の扉絵が掲載されていた。

幾ページかめくってゆく和美の指が ふと 止まった。

1969年『闇の風』少年サンデー 23号~41号。


『闇の風』

その作品は 確かに存在した。

                    終わり

2002年平成14年8月 著

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あとがき

年齢設定 家族状況も 変えてますが 
石ノ森萬画館に関する記述は本当です。

また、信じてはもらえないでしょうが 
私が 子供の頃 夢を見て翌年 
この『闇の風』という作品を見つけた経緯も事実なのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m

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かげろう奇譚#10(石ノ森萬画館)

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