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アスタロト公爵#24ハエの魔王ベールゼブブ

※この物語は 「阿修羅王」の本編より 悪魔の三大実力者のひとり、アスタロト公爵の作品を抜粋しています。特定の宗教とは 何の関係も無いフィクションです。 

「聞いているのか?ブラックエンジェル
ぼんやりとあらぬ方向を見つめていたブラックエンジェルに、ベールゼブブが不機嫌な視線を向ける。
「あ・・・あぁ、すまない。ちょっと・・・思い出した事が・・・」
「思い出した事?なんだよ?」
「いや・・。」
「なんだよ!」
ハンっとベールゼブブが、ふてくされたようなため息をつく。

ブラックエンジェルは横目で鳥の背を見つめながら口を開く。
「あんたがルシファーの後釜を狙ってるのは知ってる。
でも、今が始まった事じゃないだろ。それに、私に何の関係があるんだい?私は魔界の王が誰でもかまわない。どうでもいい事さ」

「知ってるだろう?あのアスタロトの事」
ア・・・アスタロト?」
「どうやって取り入ったのか、ルシファーの娘サーティと・・・。
三大実力者の一人のくせに、ルシファーの娘婿だぜ。
しかも、自分の城にはフェアリーと住んで、さらに相変わらず女はとっかえひっかえだ。
しかも、サーティはそれを許してるときてる」
「それが・・・?」

「誇りを失ってる。ルキフェル・アスタロト・ベールゼブブといえば、ルシファーをおびやかす三大実力者のはず。
それがルシファーにシッポをふるとは、落ちたもんだ。
俺はあいつみたいにルシファーに追従するつもりはない」

ルキフェルの部下のサルガタナスとマルコシアスは、サーティの手に落ちた。ルキフェルの軍団も危うい。」
「それは本当か?サルガタナス七十二人の魔王の中で、最も三大実力者に近いといわれていたじゃないか」
「どこにでも、情報源はある。ぬかりはないさ。
それにしてもサーティ
悪魔にしてはおとなしい娘だと思っていたが、さすがにルシファーの娘だ。食えないな」
ブラックエンジェルは、何か考えをめぐらしいるのか、次の言葉が出ない。

「俺がこの世界の王になれば、いずれ天上界にも打って出る。
いや、人間界も、この世界すべてをものにしてやる」
「この世界すべてだって?」
「あぁ、ルシファーは甘いミカエルに匹敵する力を持ちながら、魔界を治める事しか考えていない。
結局この世は天帝の思うがままじゃないか。我々悪魔は常に排除され、嫌われ、存在すら否定されている」
ブラックエンジェルには、ベールゼブブの言わんとしている事がよくつかめていないのか、ただ額にしわを寄せるだけだ。

「天上界が俺のものになれば、またおまえも、行けるんだぜ」
「行ける?」
「そう、おまえが会いたかった昔の男に会えるぜ」
「な・・・何を?」
「未練たらたらなんだろ。その、誘惑した天使長に」
また、ベールゼブブの笑い声が響き渡る。

「そこでだ、ブラックエンジェル
おまえは誰にも追従しない。一匹狼だ。
それに、おまえはリオールの妻、コーラと親しい。そうだろ?」
コーラを?コーラに何を?
ベールゼブブは意地悪く笑みを浮かべながら、話を進めた。

ありがとうございましたm(__)m

アスタロト公爵#24ハエの魔王ベールゼブブ


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