エンドレスヒール#69 -3.11
この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等は架空のものです。
2010年4月 伊豆 メルシアにて
今日は朝早くから、強行軍で伊豆にやって来た。
仙台からの日帰りだ。
百香と二人、日帰りの二人旅。
伊豆の メルシア とういうログハウスのような作りのお店、エスニック系のものや、パワーストーンが売っているお店に来ている。
今年初めに 仙台でのノアヒール講座で出逢った 清水綺羅子こと らこさん のピアノコンサートを聴くためにやってきた。
らこさん の本職は ピアニストなのだ。
それを、伊豆の自然を相手にメルシアのお店のお庭での野外コンサート。
観客は 自然の山の傾斜の上に 手作りで作られた長椅子等のすわって、メルシアのバルコニーから聴こえる らこさん のピアノ に耳をすます。
ショパンが サン・サーンスが ラヴェルが バッハが ブラームスが・・・・。
伊豆の自然に溶け込んで一体となる。
山の自然の木々が、風が、小川のせせらぎが、そして木々からこぼれる太陽の光が、ピアノの音を自分のものとし、らこさんの指から奏でられるメロディと いや らこさん自体が その自然の中で 一つのシンフォニーを作り上げる。
本来 コンサートホールなどから考えれば 良い条件とは言えないかもしれない。
しかし、伊豆の自然に受け入れられたピアノ いや らこさんは 伊豆の自然とともに コンサートホールでは味わえない、一種独特の そしてそこにしかない 森の精霊たちさえ聴き入りそうな音楽をむみごとに描ききった。
和美は いつか見た アニメにでてきた たくさんの精霊たちが すぐそこで聴いている錯覚を覚えた。
帰る前に メルシアの店の品物を百香とジックリみた。
アジアなどの服が多かったが、手作りのバッグや小物、その国独特のハンドクリームなど、珍しいものが多かった。
百香と和美は、気に入った おそろいのカップを買った。
「いよいよ 始まるね。」
帰りの新幹線で、百香と仙台に向かう。
和美は うなずいた。
5月から始まる 三ヶ月間のヘルパー講座が 目の前に迫っていた。
2011年5月25日(水)
エンドレスヒール#69 -3.11
私は泣いていない。理屈で理解しても、感情では納得していない。
私はもう一生、大丈夫にもならないし、落ち着くこともないだろう。
次回 エンドレスヒール#70 へ続く
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前回 エンドレスヒール#68 は こちらから
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