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アスタロト公爵#17悪魔皇女サ―ティ

※この物語は 「阿修羅王」の本編より 悪魔の三大実力者のひとり、アスタロト公爵の作品を抜粋しています。特定の宗教とは 何の関係も無いフィクションです。 

「ふふふ・・・。何、怯えてるの?大丈夫よ、アスタロトはたまにしか来ないわ。
自分の領域を守るのと広げるのとで忙しいし、あっちにはリジュもいるしね。
それに、アスタロトとの寝室は別にあるの。この城には、彼の部屋も用意してあるわ」
リオールは、しびれを切らしたように舌打ちした。
「用がないなら帰るぞ」
「待って!」
サーティがリオールの腕をつかんだ。
「あの時と同じ、ここから出て、二度と戻らないつもり?」

********遠い記憶の向こうの、リオールとサ―ティ*******
「もう、行ってしまうの?」
「サーティ、わがまま言うんじゃないよ。
今日は父上から魔界をひと通り見回るように言いつかった。
これも、悪魔皇太子としての役割の一つだからね」
リオールは寄り添っていたサーティの身体を離そうとした。サーティがふいに唇を重ねてくる。
「サーティ、きりがないだろう。戻ったら、また来るから」
サーティはすねたようにプイと横を向いた。

「いつも、キスで終わりなのね」
「サーティ、何度も言ってるよね?
サーティと俺は、生まれた時から父上と母上の後を継ぐと約束されている。
それは魔界の誰もが知っている。だからこそ、サーティを大切にしたいんだ。きちんと父上と母上のお許しが出て、婚約するまで」
「それっていつ?もう待てない!」

リオールはため息をつくと、無理やりサーティから身体を離した。
「行くよ。すぐ戻るから」
「嫌!あなたが・・・もう、帰って来ない気がする」
リオールはふっと笑うと、そのままサーティの部屋を出た。

「あれから、あなたは二度と戻って来なかった。見回りの最中に、あの光が天上界から堕ちてきたから・・・。
その光は、自ら闇をまとい、生まれたばかりの魔女達の天秤の中に紛れ込んだ。でも、その光を最初から追っていたあなたは、即座に彼女を天秤から弾き飛ばした。彼女を見失わないように・・・」

******************再びアスタロトとの婚姻の夜

「サーティ、来てごらんよ。月が綺麗だよ」
アスタロトの声で、サーティはまどろみの中から、ほんの少し身体を起こした。
「待って、今、何か身に付けるから・・・」
「いいよ、暗くて見えやしないよ」

サーティはためらいがちにベッドから下りると、窓から外を見ているアスタロトに近づいた。アスタロトはサーティを前に押し出すと、後ろから抱きすくめた。

ありがとうございましたm(__)m

アスタロト公爵#17悪魔皇女サ―ティ


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#18へ続く
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