トンニャン最終章#6ルキフェル第三軍団大将サルガタナス
※この物語は、「阿修羅王」編、「アスタロト公爵」編の、本編です。
話の位置は「ウリエルの巻」の次、「サルガタナスの巻」のような意。
なお、この物語で「現在」「今」という場合は「日本民族が滅びてから約1000年後」のこと。つまり、今から何千年後かの未来です。
また、特定の宗教とは何の関係もないフィクションです。
「まるで人間たちの映画のようだな。な、サルガタナス」
悪魔の君主 アスタロト公爵は、お気に入りのソファーに座って丸いクリスタルを見ている。
「サルガタナス、そんなところにいないで来てみろよ」
チッ!アスタロトの奴、こっちはそんなわけにはいかないんだ。わたしをからかっているのか?
「いらっしゃいよ、サルガタナス。あなたはわが夫、アスタロトの親友じゃないの。こっちに来て座ったら?」
悪魔皇女サーティが、斜に見て微笑んだ。
【ルキフェル 第三軍団 大将 サルガタナス】
魔界の三大実力者ルキフェル・アスタロト・ベールゼブブ。このルキフェルは七つの軍団を持っていて、それぞれが名のある悪魔たちだ。
サルガタナスは、ルキフェル第三軍団を任されている。自身の実力も、魔界では最も三大実力者に近いといわれている。アスタロトとは旧知の仲で、本当は誰の味方なのか真意はわからない。
第五軍団中将マルコシアスを騙して、悪魔皇女サーティ(ルシファーの娘)を襲わせた張本人でもある。
「どうぞ」
優しく微笑みながら、フェアリーのリジュが声をかけた。
「マルコシアス様も、どうぞ」
サルガタナスの後ろにいた翼のある狼・マルコシアスも戸惑っている。
「いいから、見てみろよ。面白いものが見えるぞ」
アスタロトにさらに言われて、サルガタナスはおずおずと立ち上がった。続くマルコシアス。
アスタロトの城にサーティが来ているのは珍しい。サーティは、たいがいルシファーの城の西に構えた自分の城に暮らしている。
もともと結婚の条件の中に、アスタロトは自分の城でそのままリジュと暮らして良い。さらに、今までの暮らしの一切を替える必要が無い。そして、気が向いたときにサーティの城に行けば良い。
と、されていて、サーティがアスタロトの城にいるのは、めったにないことだ。
少し前―――
「始まったわよ」
「サーティ、珍しいじゃないか。突然、訪ねてくるとは、どういう風吹きまわしだ」
「のんきね、アスタロト。リジュ、クリスタルを持ってきて」
サーティは有無を言わさずアスタロトのお気に入りの部屋に入り込むと、バラにかこまれたロココ調の部屋の、大理石のテーブルにクリスタルを置かせた。
続く
ありがとうございましたm(__)m
トンニャン最終章#6ルキフェル第五軍団大将サルガタナス
※サルガタナスも、マルコシアスも、魔界では名のある悪魔。
サ―ティがルシファーの娘とはいえ、ここまで遠慮しているのは、何故か?
理由は、アスタロト公爵編「ルキフェル第三軍団中将マルコシアス」こちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n951789a3eb62?magazine_key=mf04f309d9dfc
【「炎の巫女/阿修羅王」全国配本書店名110店舗はこちら
https://note.com/mizukiasuka/n/ne4fee4aa9556 】
次回トンニャン最終章#7 サルガタナスへ続く
https://note.com/mizukiasuka/n/n92ff636dc10f
前回トンニャン最終章#5 ウリエルはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/n/n623778f28c45
トンニャン最終章、最初から読めるマガジンはこちらから
https://note.com/mizukiasuka/m/mb128933fa182