Custom Instructions: ChatGPTの対話を一括カスタマイズして効率化
ChatGPT Plusユーザーに向けた新機能「Custom Instructions」が公開されました。これにより、より詳細に応答をコントロールできるようになりました。OpenAIが新機能を追加するのは今月だけで、GPT-4 APIの一般ユーザ公開、Code Introductionsのリリースと3度目です。
「Custom Instructions」は、ユーザーが毎回同じことを指示しなくても良いように、全ての会話で一貫した指示を設定できる機能です。これまでChatGPTでは、新しいチャットを始めるたびにメモリがリセットされ、毎回同じ指示をプロンプトで伝える必要があります。
たとえば、文章の「てにをは」をチェックしたり、誤字脱字をチェックするといったタスクによくChatGPTを使っているのですが、これまでは、毎回、「あなたは優秀な編集者です。・・・」といったプロンプトを打たねばならず、大変でした。
おそらく同じ想いの人がたくさんいたのでしょう。毎回同じことを言わなくても、どの会話にも適応される条件を設定できるようなり、そのような手間を減らすことができます。
Custom Instructionsの設定は次の2つです。
ChatGPTにあなたについて知ってもらいたいことは?(What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?)
ChatGPTにどのように応答して欲しいか?(How would you like ChatGPT to respond?)
それぞれ、英語で最大1,500字まで設定可能です(日本語でも同じ文字数制限です)。
「1」では、「誰に対する回答なのか?」が分かるような情報を提供します。たとえば、「ソフトエンジニアです。」と設定すれば、ChatGPTは一般向けの回答ではなく、ソフトウェアエンジニア向けの回答を提供します。さらに、「プログラミングを習い始めたばかりのソフトウェアエンジニアです。」「Pythonでもプログラミング経験が10年以上ある経験豊富なソフトウェアエンジニアです。」とさらに詳細を加えると、よりカスタマイズされた回答が可能となります。
もちろん、与える情報は自分に関するものである必要はありません。たとえば、想定する人物への回答はどうなるのか知りたい場合には、その人物の情報を入れます。たとえば、「OpenAIのCEO」です、と伝えることで、ChatGPTの技術について良く知っている人物、というニュアンスを伝えることもできます(このツイートは実際にOpenAIのCEO Sam Altman自身ですが笑)。
「2」では、ChatGPTの回答の「スタイル」「トーン」「フォーマット」などを指定します。
たとえば、「分かりやすい言葉で短く答えてください(スタイル)」「カジュアルなトーンで回答してください(トーン)」「ステップ・バイ・ステップの指示を出してください(フォーマット)」など。
先ほどのSam Altmanのツイートでの指示は次の通りです。
さて、実際に使用してみると、Custom Instructionsは全ての会話に適用されるため、それが反対に使いづらいと感じることもありました。そこでオフにすることも可能ですが、そのためには設定を開いて変更する必要があるので、手間がかかります。簡単にオンオフできるインターフェースや、複数のCustom Instructionsを切り替える機能があれば、さらに便利になると思います。
Custom Instructionsについては、既に多くのユーザーがTipsを共有しています。例えば、次の設定は、ロール指定によるカスタマイズされた応答生成を可能にしていて、汎用性が高くなかなか使いやすいです。
ぜひ、みなさんも試してみてください。