ブラジルのBlack Lives Matter 「リオのカーニバル」 : Salgueiro2016 悪への憧れ
世界最大級のお祭り・リオのカーニバル。本質は「民衆蜂起」。メッセージ性に富んだパレードが繰り広げられます。今回ご紹介するのは、名門サンバチームSalgueiroが2016年に披露したテーマ。そのテーマとは?
■「抑圧」と「抵抗」が生んだ文化 Malandragem
「怠け・狡猾さ・要領良く生きること」と訳されるMalandragem。それを体現するのがMalandro。本来は、定職を持たず、酒場にたむろし、賭け事に興じ、寝たい人と寝て、ナイフを忍ばせている「悪役」。平たく言えば「ゴロツキ」。サンバでは人気の役柄。多くのダンサーによってコピーされています。知ってのことならば、
「悪に憧れる心理」:「抑圧」が「抵抗」という形で「悪役に希望」を見出す?
身一つで出来るサンバは持たざる者の文化です(サッカーと同じ)。
時代がすすめば「文化は洗練」されます。転じてMalandroには「自由気まま」というイメージも。ただ、厳密に言えばMalandroは「自由」ではありません(フランス人権宣言第4条「自由の意味」)。
なお今回のパレードは「社会批判は込めていない単なるMalandro文化へのオマージュ」(カルナヴァレスコ談)。ブラジルオペラのChico Buarque “Ópera do Malandro” が底本です。大人向けの過激なストーリー。1940年代のリオを舞台に、日陰の商売にスポットが当てられます。
Malandroの聖地は、水道橋で有名なLapaラパ地区。
唯一無二のデザイン・リオデジャネイロ大聖堂も近く。
観光名所・セラロンの階段もラパ地区に。
ラパ地区には大小さまざまなライブハウスもあります。サンバやショーロなどブラジル音楽を生で楽しめる老舗の繁華街。音楽好きの方は散策してみるのはどうでしょうか。マランドロのように千鳥足で歩くとお財布がなくなるのでご注意を。
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■参考
・パレード総監督インタビュー記事
・テーマ概要
・Salgueiroパレード公式パンフレット
・パレード写真集
・Wiki:Malandragem
(おわり)
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