高松宮記念2024 全頭診断 完全版
いよいよ、春のGIシーズン到来!!
GIが来たらやることはひとつ!!
全頭診断しかない!!
今週診断するのは、第54回 高松宮記念(GI) 中京芝1200m
春のスプリント王決定戦、高松宮記念を診断していきたいと思います!
評価はいつも通り、【S→A→B→C】の順で一頭ずつ評価をします。
それでは早速見ていきましょう!
【アサカラキング】
B評価
阪急杯は3番人気で逃げて2着。ウインマーベルにハナ差負けるが実力は見せる。キャリアの途中のまでは、2000mまで使っていたが距離を短縮してから覚醒。今までは気性が勝っていたので、持続力を活かせていなかったが、距離を短縮したことで、持続力を活かせるようになっている。しかし問題は今回初の1200mということ。1400mと1200mの競馬は全く違う形になる。1400mで出来ていた競馬が出来なくなる可能性がある。今回同型は香港のビクターザウィナーとモズメイメイとテイエムスパーダあたりになる。モズメイメイは葵Sのようなロケットスタートは現実的ではないが、ハナ争いには加わるはず。問題はビクターザウィナー。前走好スタートからそのまま押し切り勝ち。スプリントの逃げならこの馬の方が上手かもしれない。テイエムスパーダも逃げにかなり執着している馬なので、簡単には逃げさせてくれないはず。距離短縮から番手以下で競馬したことはないので、逃げれないと脆い可能性はある。初の短距離重賞で2着に凌いだことは評価出来るが、重馬場で現状の力を出し切った感じはする。距離短縮で上積みはあまり感じられない。逃げれたとしても、GIで人気先行勢にマークされる状況は厳しい。勝つ可能性があるとしたら、外枠で内の馬たちを見ながらすんなり出せる時。今回は基本的に見。
【ウインカーネリアン】
C評価
前走初ブリンカーで効果あり。単騎で逃げてこそ真価を発揮する。前走はこの馬にしては、そこまで速いペースではなかったが、最後踏ん張り切れず2着。全盛期のこの馬なら逃げきれていたと思う。7歳で衰えは隠せないとみる。今まで1600mを使ってきた馬で、1200mはおろか1400mも使ったことがない。今までの時計を見てもスプリントで逃げるのは厳しい。アサカラキングの時にも書いたが、今回は強烈な逃げ馬がいるので、簡単に逃げることは出来ない。GIで結果を残したことはなく、ワンパンチ足りない感じはする。マイルで充実している時は、逃げなくても勝てていたが、全盛期を過ぎた今は厳しい印象。血統的には父スクリーンヒーローだが、母父マイネルラヴでスプリントの下地はある。母父マイネルラヴは道悪の鬼なので、道悪がハマるとGIで足りなかったピースが埋まるかもしれない。この馬も一発で対応出来るとしたら、外枠が欲しい。展開的には厳しい印象で、スプリントもあまり向きそうな印象はないが、血統的に道悪だと少し怖い。最後まで紐にするか悩みたい。
【ウインマーベル】
B評価
阪神C阪急杯と重賞連勝でいざGI獲り。過去にスプリンターズS2着以来GIでは好走なし。近走の好走条件は1400m。近2走は完全にスタートを決めて、完璧な位置取りで競馬が出来た。基本的に大きく負けている時は、スタートが上手くいっていない時。テンはそこまで速くないので、スタートで後手を踏むとかなり勝つ確率は低くなる。前走1番人気でしっかり勝ち切ったことは評価出来る。ただ前走を勝ちに来てた印象もあるので、本番でお釣りがない可能性はある。そこの状態は返し馬などで判断したいと思う。中京1200mは1-1-0-2で悪くはない。昨年の高松宮記念は不良馬場だったので、度外視でいい。1400mの方が合っていると思うが、中京1200mは悪くない舞台である。ハナ争いが4頭くらいになると予想出来るので、その後ろが確保出来れば展開は向く。だがマッドクールやママコチャとのポジション争いに勝つことは前3Fの時計から見ると、かなり難しいと感じる。この馬たちの前にポジションを取ることが理想だが、想定だと一列後ろになってしまいそう。切れる脚は持っていない。ジリジリ止まらずに伸びるタイプ。GIだと決め手に欠けるところは否めない。この馬の全てはスタートにかかっている。内枠を引きたいところ。ここは紐までにしておきたい。
【キミワクイーン】
B評価
前走は久々でリフレッシュして挑んだ一戦。前走は久々に正攻法の競馬で、休み明けでも力は出し切れていた印象。それでもビックシーザーに後ろから差されてしまったのはどうか。少なからず休み明けの部分はあったと思うので、一回使った分状態の上積みは期待できる。昨年のスプリンターズSは大外枠で、枠的に厳しい部分があったと感じる。中京1200mは初コースだが、圧倒的にロードカナロア産駒の成績が抜けているので、ベストの舞台にあると思う。展開は速くなるので、切れる脚を持っているこの馬にとっては、良い展開になりそう。1200mのスペシャリストが少ない中、常に1200mにこだわって使っているところも評価出来る。出走出来るか怪しいが、出てくるなら抑えておきたい。
【クリノガウディー】
C評価
20年幻の高松宮記念馬。今年は約2年ぶりの実戦となる。2年前に走っていた時は、4戦連続で二桁着順に負けている。骨折明けということもあって、全力を出せない可能性は高い。レースに出れること自体が奇跡のようなもの。純粋な能力は高いが、力を出し切るのがかなり難しいタイプ。喉なりや気性面が上手く噛み合うかどうか。中京3-1-1-4で高松宮記念の斜行を考えれば、コース適性は高いとみれる。休み明け0-1-2-4でそこまで悪くないが、2年ぶりで前走も大敗しているので、少し厳しい。出れること自体が奇跡で、今回はまず無事に走ってくれることを祈る。ここで好走したら脱帽。
【グランデマーレ】
C評価
前走は好位につけて折り合いはギリギリ我慢出来た。直線は追い出す余裕があって、完勝の内容だった。今回は初めての1200mになる。気性が前向きなタイプなので、距離短縮はそこまで悪い影響はなさそう。近走は重賞を使わず、OPを続けて使っている。重賞で二連敗してから使っていないあたり、現段階で陣営はそこまで自信がないように思う。ただ2023年の最初から中盤にかけては、状態がちぐはぐだった感じもする。終盤にかけて、状態が良くなっていたので、結果が伴ってきた印象。二戦ともハンデ戦なので、過度な評価は禁物。中京1200mは初コースだが、ロードカナロア産駒なので得意な可能性は高い。血統的な可能性は感じる。GIだとまだ現状の能力では厳しい。血統的な潜在能力で買いたくもなるが、流石にここまで手を広げるのは難しい。ここは見で。
【シャンパンカラー】
C評価
久々だったフェブラリーSは、道中流れに乗ることはできたが、好走することは叶わず。課題であったゲートは及第点にギリギリ届かないレベル。芝スタートだから挽回出来た感じ。勝ち鞍は全て左回りで、中京は初コースだが向いているほうであると感じる。昨年の安田記念で古馬に揉まれてから、状態がちぐはぐな感じはする。今回は2Fの距離短縮で、スタート面を考えると良い短縮ではないと感じる。状態が一時の状況まで戻ってきていないのは事実。前走ダートのレースを使ったあたり、陣営も悩んでいるところはある。ここで距離短縮をしてきたのは、馬にとって刺激を入れるためのようなこともある。GIを勝っている底力は評価したいが、勝った後のレースがイマイチすぎる。ここも様子見したい。
【シュバルツカイザー】
C評価
前走は4番人気になるも、直線は全く伸びず13着。馬場が荒れすぎていたのも響いた。成績は両極端なタイプで、スタートを決めた時は基本的に好走する。重賞でも好スタートを決めた時は、4着に食い込んでいる。ただそのスタートがなかなか決まらないので、馬券的には買うタイミングが難しい。右回り成績6-2-0-9で、左回り成績0-0-0-3。好走時は中山か北海道開催で、小回りコースが得意。中京は初コースで、向いている舞台とは言えない。テンのスピードも他の先行勢に比べると遅いので、取りたいポジションは取れない可能性が高い。当日も雨予報なので、馬場は荒れる。重賞でも勝ち切れていないので、GIでは力が足りない。ここは見で。
【ソーダズリング】
A評価
前走は距離短縮が良い結果を生み初重賞制覇。前哨戦とはいえ、ナムラクレアに勝ち切ったのは、この距離で活躍出来る証拠。今までは気性が前に出すぎてしまって、能力のわりに結果を残す事が出来なかった。距離を短縮したことによって、気性が良い方向に向き始めた。今回ここに出るのを進言したのは、主戦の武豊騎手。レジェンドがわざわざ進言したということは、それだけ短距離の適性があるということに間違いない。切れる脚を持っている馬なので、追走が後ろになってもそこまで気にならないが、前走の競馬を見る感じ追走にも苦労はしなさそう。血統は母ソーマジック父ハーツクライで、かなりの良血。ソーマジックはソーヴァリアントやマジックキャッスルの母。実績馬を多く輩出しているので、GIでも信頼出来る血統。今回は雨予報で馬場が重くなることが予想出来る。母系はロベルト系で、重い馬場でも力は出し切れる血統。血統的には問題ないが、この馬自体気性が勝っている馬で、精神的に不安定なところがある。雨で荒れた馬場だと、マイペースに走ることが出来ず、いつもの走りが出来ない可能性は少なからずある。この場合は距離短縮が悪い方向に出てしまうかもしれない。そこは返し馬の反応などで見極めることが重要である。今回は初の56キロでオークス以来のGI。底力は血統的にも問題はないが、短距離のスペシャリスト相手に経験値の差で負けることはある。馬自身の経験のなさをジョッキーがリカバリー出来るかどうか。中京は初コースだが、左回りの実績もあるし、大きな輸送もないので、問題ないと思う。ローテーションも中4週で、今までの成績を見ると丁度いいレース間隔になっている。前走外からメイケイエールに被される場面があったが、それに動じずしっかり伸び切る。前走がメイチだった感じもしないので、年齢的にも上積みには期待出来る。今回は初のスプリント戦で、スペシャリスト相手には苦戦を強いられる可能性はあるが、それを加味しても勝つ可能性を感じる。今回は狙ってみたい一頭。
【ディヴィーナ】
B評価
現役ラストランに選んだのは、初のスプリントGI。前走は香港マイルに参戦したが、最後反応出来ず11着。昨年の夏にかけて重賞で連続好走し、重賞も初制覇した。ただ使い詰め感があったので、今回は間隔を空けてリフレッシュ出来ているのは良い。休み明け成績は0-2-0-2で、休み明けが全くダメということはない。前走全く直線で反応がなかったのは、初の海外遠征の影響も大きかったかもしれない。左回り成績5-3-0-4で右回り成績0-0-2-4。完全にサウスポーで、中京に限ると4-2-0-1。着外は一回のみで、中京適性はかなり高いとみれる。初のスプリント戦になるが、気性が勝っているタイプなので、良い方向に出る可能性は高い。道悪の成績は2-1-1-3で適性あり。雨予報も問題ないとみる。血統はモーリスに母父ディープインパクトという血統。母は名牝ハルーワスウィートの子供ヴィルシーナ。スプリント血統ではないが、GIで勝ち切れる底力は感じる血統。今回は初のスプリント戦で、未知の部分が多いが適性はありそうなので、人気がなければ買うのもあり。
【テイエムスパーダ】
C評価
スプリント戦の日本レコード保持。今回も全力で逃げ切れるか。基本的にスタートはあまり速くないが、全力で押して前に出ていくタイプ。昨年のセントウルSは久々にハナを切ることが出来て、開幕週ということもあって逃げ残れた。GIだと他にテンの速い逃げ馬が揃ってしまうので、簡単にはハナを切れなくなってしまう。切れたとしても後続のマークが厳しく、逃げ残れるほどの脚が残っていないのが事実。ただ2回挑戦したGIどちらとも、内枠で前に無理やり行くしか選択肢がなかった。今回は真ん中より外の枠なら、少しは楽に逃げれる可能性はある。今回は雨予報で、馬場は重くなるので、スピード勝負にはならない。先行勢で強い馬も多いので、展開的には少し厳しくなる。馬券内に入ったコースは全て右回り。中京1200mは0-0-0-3で得意という印象は受けない。一回使ったことで、状態の上積みは期待出来るが、今回も強烈な同型も多いので、楽逃げの展開になることは考えづらい。ここは見で。
【トウシンマカオ】
B評価
重賞2連勝で充実の時期を迎える。いざGI獲りに向けて視界良好。オーシャンSは好スタートから控えて好位追走。馬体の+12キロは成長分で地力の違いを見せつけた。完全にスプリントのスペシャリストになった雰囲気がある。京阪杯は58キロを背負ってルガルに完勝。経験を積んで馬がスプリント戦を完全に理解している。スタートを決めて自分の形に持っていける時は、かなり強い競馬をするが、自分の競馬が出来ない時は、かなり脆い印象。昨年の高松宮記念は、不良馬場でスピードが活かされない馬場になると大敗。今回も天気は雨予報で、昨年と同じような馬場になる可能性は高い。中京競馬場も3戦全て着外で、東京では結果を残しているが、現在は右回りの方がパフォーマンスは高い。キーンランドCは重馬場で好走しているが、出来る限り良い馬場を通っての結果。道悪が好材料になることはない。血統は父ビックアーサー母父スペシャルウィークという血統。父ビックアーサーは現役時代高松宮記念を制覇。スプリント血統で血統的な評価は高い。前走決して完璧な状態ではなかったが、1番人気でしっかりと勝ち切ってみせた。今回は鞍上がルメール騎手に乗り替わり。ルメール騎手は過去に2回高松宮記念騎乗経験ありで、3着が最高着順。鞍上強化は間違いないが、絶対的に信頼出来る実績がないのは事実。テン乗りということは考慮した方が良いかも。今が完全に充実期で、ここは人気になる。だがGIや道悪だと意外に脆さを見せる場面がある。そこを考えるとそこまで信頼は出来ない。ここは紐まで。
【ナムラクレア】
S評価
THE安定感の生粋のスプリンター。念願のGI制覇に向けて準備万端。過去に掲示板を外したのはマイルのヴィクトリアマイルのみ。スプリント戦の安定感は現役ナンバーワン。ただ逆に言うと安定すぎてパンチ力があと一歩足りない印象。前走は+10キロで前哨戦仕上げの印象。まずまずのスタートから道中は後方待機。徐々に進出を開始して最後はソーダズリングを目標にするも差し切れず2着。前哨戦ということを考えれば、非常に次につながる内容だったと思う。1番人気でマークされる競馬にも慣れてきた印象なので、今回はGIでも自分の力が出し切れるようになっている。今年も雨予報だが、この馬の道悪適性は抜群。重、不良は連対率100%で、昨年の高松宮記念も人気馬のなかで一頭だけ好走。馬場が重くなっても変わらず自分の力を出し切れる。昨年のスプリンターズSはゲートで少し後手を踏んで、ポジションが一列後ろになる。勝ち馬に本来取りたかったところを取られた感じで、それでも3着に来たのは地力の高さを見せたと思う。道中ママコチャにブロックされて、外に出したいところで出せなかったのが痛かった。昨年のような競馬をするために、外目の枠が理想になってくると考えられる。血統は父ミッキーアイル母父ストームキャットという血統。母系にストームバードとロベルトとがいるので、血統からも道悪が得意なことが分かる。アメリカの主流血統で、血統的な底力は十分。少し気になるのは、前哨戦を1400mの舞台にしたこと。恐らく斤量の関係で、京都牝馬Sを選択したはず。昨年ヴィクトリアマイルを使ってから、問題なくキーンランドCを勝利しているので、そこまで杞憂することはないと思うが、頭には入れておくべき。あとは近走大外ぶん回しが多い点。人気を背負っているので、内を突ける競馬を選択しなくなった。本来は後方から切れ味を活かすというよりは、好位から押し切るタイプだと思う。ただ経験を積んで後方からの競馬にも慣れてきた印象はあるし、今回は道悪になるので大外に回しても不利は少ない。力は出し切れるとみて平気。一回使ったことで状態の上積みは期待出来るし、休み明けよりはゲートも出ると思うので、ポジションは前走より前が取れる。ここは確実にGIを獲りに来るレース運びをしてくる。真ん中より外枠なら本命候補のS評価。
【ビックシーザー】
A評価
前走は追走で苦労して、中団からになるも直線は切れて2着。古馬相手でも渡り合えるようになっている。昨年の秋は古馬相手に苦しい競馬が続いていた。近2走は好走しているが、時計的には少し物足りない印象。秋に大敗している時は、時計が1分7秒台前半。葵Sで負けた時も、勝ちタイム1分7秒1でこの馬には速すぎた。例年のGIの時計だと厳しい。しかし今年は雨が降るので、時計的なハードルはなくなる。時計がかかるようになるのは、この馬にとってはかなりの好材料だと思う。前走中団からいつもと違う形で好走出来たのも、今回に活かせる可能性が高い。中京1200mも2戦2勝で、コース適性は高い。血統は父ビックアーサー母父Tale of Ekatiという血統。母系はストームバード系で、父は生粋のスプリンター。完全なスプリント血統で、この舞台での血統的な評価は高い。前走久々だったとはいえ、このレベルで追走に苦労すると、今までのような先行の競馬は出来ないかもしれない。追走は出来なかったが、切れる脚を使えることが分かったのはレースの選択肢が増えた。馬場も重くなると想定出来るので、意外に展開は向くと考える。レース間隔を詰めても問題ないタイプで、状態は上積みが期待出来る。鞍上は坂井騎手から吉田隼人騎手に乗り替わり。最近の吉田隼人騎手は少し乗れていないので、そこが少し気になる点。デビュー以来スプリント戦しか使っていない生粋のスプリンターで、恐らくそこまで人気にもならないので、買っておきたい一頭。
【ビクターザウィナー】
C評価
前走のセンテナリーススプリントカップで初GI制覇。エアロヴェロシティ以来の香港馬制覇を狙う。センテナリーススプリントカップはロケットスタートからそのまま逃げ切り勝ち。ただ内容的には、少し物足りない感じ。前半3Fは約35秒。映像が多少ずれてたとしても、34秒後半。日本のGIなら逃げられないラップである。短距離戦で前半35秒台で逃げれたら、大体逃げ切れる。スタートが完璧だったので、他の馬たちは競りかけなかったが、今回のメンバーだとこんなに楽逃げは出来ない。実際に香港スプリントでは、好スタートを切るも、押したジャスパークローネにあっさりハナを取られている。日本馬相手だとハナを切るのにも苦労する。テイエムスパーダが何が何でも前に行くファイトを見せるので、道中のプレッシャーは厳しくなる。必然的にペースは速くなって最後に脚が残っているかは微妙。番手に控えた場合も、すぐ後方に人気馬がいるので、何も出来ずに終わる可能性すらある。道悪の適性も未知な部分が大きい。香港の競馬場は基本的に右回りで、オーストラリアで左回りの経験はあるが、日本だと未知数なところはある。コーナーでタイトに内側を回れない可能性もあるので頭に入れておくべき。2週間前に日本入りしているが、ここでの調整がどこまで上手くいくか。正直そこまで強度のある調教は積めていないと思うので、状態の見極めは必須。前走は時計的にもレベルは微妙で、いくらスタートダッシュが速くても、楽な展開にはならない。ここで少し人気してしまうなら見でいい。
【マッドクール】
A評価
前走の香港スプリントは最後スピードに対応出来ず8着。馬体重も減っていたので、慣れない海外遠征も響いた。再び仕切り直しの高松宮記念。昨年のスプリンターズSは、上手く内で脚を溜めることが出来て、勝ち馬とハナ差の決着。ほぼ勝ちに等しい内容であったと思う。ただ時計的なレベルはGIにしては物足りない印象。生粋のスプリンターで最強馬がいない現状なので、力が足りた印象。ただ今回は雨予報で時計的なハードルはなくなるので、その点は好材料。テンはそこまで速くないので、上手くスタートを決めて好ポジションを取れるかどうか。過去に国内で着外になったのは、斤量に泣いたCBC賞のみ。中京1200mは2-0-1-1で、斤量が厳しかったCBC賞以外は全て馬券内。コース適性はかなり高い。今回は雨予報だが、重馬場での実績もある。欧州血統なので、血統的にも重い馬場は合う。切れる脚はなく、ジリジリとしか伸びないが、大型馬らしいしぶとさがあるので、そこが活かせれば。休み明け成績は3-1-0-1。着外はCBC賞のみなので、まともな条件なら馬券内は外していない。鞍上は引き続き坂井騎手。ビックシーザーではなく、こちらを選んだのは好印象。今回も同型は多く、楽な競馬にはならないが、コースや馬場は味方するので、買っておきたい。
【マテンロウオリオン】
B評価
前走は初のスプリント戦で8着。NHKマイルC以来の馬券内なるか。前走は初のスプリント戦だったが、そこまで追走に苦労することはなく、最後まで伸びてはいた。ブリンカーを着けて二戦目で、慣れたのが大きかった可能性がある。昨年の春に少し復調気配を見せたが、完全に復活することは出来なかった。それでも一時期の最悪だった状況は抜け出している。GIで勝ち馬とクビ差の2着に入ったこともあるので、能力が低いということはない。父ダイワメジャーで母父はキングカメハメハという血統。ダイワメジャー産駒はコパノリチャードを輩出してることから、コース適性は高いと見れる。決して成長力がない血統ではない。母系にトニービンがいるので、左回りの方がパフォーマンスは高くなる。時計勝負になると今の状態では厳しいかもしれないが、今回は雨予報で道悪になることが想定出来るので、時計勝負にならないことは大きい。ズブズブの展開になってくれれば馬券内の可能性は見えてくる。3連系の紐ならあり。
【ママコチャ】
A評価
2023年秋のスプリント王者。スプリントGI連勝に向けて虎視眈々と。前走の阪神Cは1番人気に支持されるも、直線伸びを欠いて5着。最後に伸びなかったのは、1200mを使った影響で道中力んだことが原因か。スプリンターズSは好スタートから終始ナムラクレアをブロックして出させない。コーナーで徐々に進出を開始して、最後はハナ差凌ぎ切る。内容からも鞍上の川田騎手の好騎乗が分かる。勝ちタイムは1分8秒0で、良馬場のスプリントGIにしては、少し物足りない時計に感じる。逆にこの時計だからママコチャが走れたのも納得出来る。生粋のスプリンターではないので、このレースだけで信頼するのは良くない。血統は母ブチコ父クロフネ。全姉にGI3勝のソダシがいる。血統的にはダートもいけるので、道悪は苦にしない。実際にデビュー2戦目で不良馬場を走った時は、位置取りが悪くなったがノメることもなく、最後まで伸びていたので、道悪が悪い方向に出ることはないと思う。中京は1-1-1-0で馬券外なし。スプリントで走ったことはないが、コース適性はある。休み明けは1-2-1-3で、少し気になるのはやはり気性面。休み明けの時はかなりかかるようで、阪神牝馬Sの時は折り合いの時点でノーチャンスだった。叩き2戦目の時は、全て1着で完全に叩き良化型。今回はスプリントで道悪なので、折り合いがつく可能性はあるが、本来は叩き良化型であることを頭に入れておきたい。姉のソダシ同様気分屋で、その日の気合いによって走るか決まってくるタイプなので、当日の返し馬は要チェック。GIを勝ち切った底力は認めるべきだし、道悪も苦にしない。だが今回は休み明けでリスクがあることも事実。枠順の隊列次第で軸候補。
【メイケイエール】
B評価
白毛一族の暴れん坊娘、ついにラストラン。最後に悲願のGI制覇なるか。前走はスタートで出遅れ、道中はかかり最後は脚が残ってなかった。成績を見れば一目瞭然だが、完全なピンパータイプ。勝ち切るか着外しか経験していない。中京1200mは2-0-0-2で、1分6秒2の時計も持っている。一番得意な舞台であると考えられる。道悪は苦手なわけではなく、稍重や重馬場でも重賞勝ちはある。昨年の高松宮記念は内枠でかかり、スムーズな競馬を出来なかったのが敗因。雨が降ると普通はあまりかからなくなるはずだが、この馬は例外なのかもしれない。それだけノメらないという解釈も出来る。気性が激しすぎるために、短距離戦を使っているが、本来はスプリンターではない。池添騎手もこのスライドは1200mの馬ではなく、能力だけでカバーしているとコメントしている。実際はスプリンターではないので、GIだとあと一歩足りないのだと思う。血統は言わずもがな白毛一族の血統。母父ハービンジャーなので、血統からもピンパーで外枠が良いタイプだと分かる。叩き2戦目の成績が全て着外。一回使ってしまうと気性が更に前向きになってしまう影響だとみる。近走はスタートも不安定で、レースがちぐはぐなのも事実。人気は落とすが、それに見合う魅力はあまり感じない。枠が外目だったら紐まで。
【モズメイメイ】
C評価
前走は久々にハナを切るが直線は力尽きて12着。過去にはゲートにぶつかるギリギリでスタートを切って逃げ切ることも。その後の成績はパッとせず。スプリントGIだと現実的にハナを切るのは厳しい。テンの速さはメンバーの中で下位。かといって逃げない選択肢をとっても切れる脚もないので、何も出来ずに負けてしまう。同世代相手ならまだ勝負になっていたが、古馬を相手にするとまず能力に限界を感じる。昨年のスプリンターズSでは、強豪相手に真っ向勝負で挑むも、シンガリ負け。今回も同型は多く、展開的にも厳しくなるのは間違いない。現段階だとGIでは能力が足りない。ここは素直に見で。
【モリノドリーム】
C評価
久々の前走は後方から追い込んでくるも最後は差し切れず。OPクラスに上がって2戦は苦戦が続く。常に1200mを使い続けている点は評価出来るが、重賞に上がってから結果を残せていないのは物足りない。芝の短距離に転向してから、すぐに活躍している。ただ重賞の壁を超えることは出来なかった。現段階だとGIでは物足りない印象。ペースが速くなるので、展開が向くことは想定出来るが、それを活かしたとしてもGIでは足りない。ここは見でいい。
【ルガル】
A評価
シルクロードSは好スタートから番手に控えて直線は圧勝劇。これまでは重賞だとあと一歩足りなかったが、前走でやっとその壁を超えた。+10キロは成長分だった。スワンSはゲートで煽ってしまって、ポジションが後方からになってしまった。この経験からゲート練習を始めて、前走の完璧なスタートに繋がった。気性も少しずつ大人になっているので、ゲート内での駐立が悪くなることは今までより少なくなるとみる。まだ多少のリスクはあるが、スタートに関してはある程度の信頼はしていいかもしれない。重賞での敗因は明確で、重賞レベルでも大崩れはしない。初のGI挑戦になるが、アグリにも完勝しているので、能力的には足りる。土日の中京は雨予報だが、この馬は道悪の鬼かもしれない。未勝利はダートで勝ち上がり。橘Sは不良馬場で、2着に0.8秒差もつける圧勝劇。血統は父ドゥラメンテ母父ニューアプローチ。ドゥラメンテはミスプロ系で道悪が得意な血統。母系もサドラーズウェルズ系にストームバード系で、欧州で活躍出来そうな血統。道悪は間違いなくこの馬に味方する。前走は逃げ馬がテイエムスパーダしかいなかったので、好スタートから楽に番手を取れた。今回は何頭か逃げたい馬がいる。番手を取ることは厳しいかもしれない。メンバー構成を考えると、4~6番手くらいになりそう。この位置だとママコチャやマッドクールと同じポジションになる可能性が高い。切れる脚はないので、他の人気馬よりも前に行ってリードが欲しいところ。好スタートから、逃げ馬に対して張っていくのはあり。ただ道悪適性で他の馬よりも進みが良いかもしれないので、杞憂に終わる可能性は考えられる。成績を見ると京都巧者の感じるが、ダートとはいえ中京で勝ち鞍はあるし、左回りでもそこまでパフォーマンスが落ちることはないとみる。前走の勝ちは陣営の努力で掴んだ勝利。内枠に入ったら軸にしたい。
【ロータスランド】
S評価
近走は後方からの競馬に徹する。22年の高松宮記念は2着に入った実力馬が再び好走なるか。京都牝馬Sから高松宮記念のローテーションは3年連続で、昨年も大きく負けているわけではないので、良いローテーションということが分かる。近3走は全てピンク帽子で、枠的に厳しい競馬が続いている。それでもスワンSは上がり最速で3着にきている。京都牝馬Sは最内を突いて、上がり最速で勝ち馬と0.3秒差まで詰めている。衰えている印象はなく、もっと良い枠なら上位と勝負になっていた可能性が高い。馬体重も昨年の秋以降増加しているので、まだ馬は成長しているとみて良い。昨年の春から夏にかけての2戦は、逃げたり先行したりしていた。近走が外枠で仕方なく、後方待機をしている感じもするので、良い枠が引けたら中団待機で22年のような競馬が出来る可能性も高い。ここは枠とスタート次第で後方待機と中団追走、どちらの選択肢を取っても面白いと考える。道悪適性も抜群で、稍重、重、不良馬場時の成績は3-2-0-1で、着外だったのは昨年の高松宮記念のみ。昨年の高松宮記念は、道中攻めることが出来なかったのが敗因なので、能力や馬場で負けたわけではない。血統はロベルトの4×3があるので、血統からも道悪の鬼であることが分かる。スプリント戦は一昨年の高松宮記念と昨年の高松宮記念しか経験していない。追走に苦労するタイプではないし、近走は中団から後方での競馬で、久々のスプリント戦でも気にすることはなさそう。年齢的なハードルは他のGIに比べると低く、昨年勝ったファストフォースも7歳馬。4~5歳馬が勝つ時は良馬場開催が多く、6歳以上が勝つ時は重馬場以上で開催される時が多い。これはキャリアの多さ、レース経験の多さが関係していると考えられる。ロータスランドもレースのキャリアは豊富で、道悪で混戦になっても脆さを見せることはない。歳を取るにつれてズブくなるのではなく、切れる脚が使えるようになっている。無理に出していかなくても、道悪なら後方待機で十分勝機はある。今回は逃げ馬も多くて、人気の先行勢もかなりいるので、ペースは必然と速くなる。欲を出しすぎずにインコースを突ければ、最後先頭に届く脚は持っている。一度2着に入っている舞台でもあるし、能力で劣るということはないと思うので、力を出し切れる枠順に入れば。今回の希望としては、真ん中より内目の枠が欲しい。内枠が引けたら絶対に買いたい。岩田父のイン突きを見せてほしい。
【高松宮記念評価一覧】
S評価 ナムラクレア ロータスランド
A評価 ソーダズリング ビックシーザー マッドクール ママコチャ ルガル
B評価 アサカラキング ウインマーベル キミワクイーン ディヴィーナ トウシンマカオ マテンロウオリオン メイケイエール
C評価 ウインカーネリアン クリノガウディー グランデマーレ シャンパンカラー シュバルツカイザー テイエムスパーダ ビクターザウィナー モズメイメイ モリノドリーム
高松宮記念の評価はこのようになりました!
この後に枠順確定後のST指数で最終決定したいと思います!
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます。
予想の参考になれば幸いです!
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それでは答え合わせは日曜日に🖐️