21世紀になっても戦争が無くならない今、哲学者カントの「永遠平和のために」をG7やG20など対立する国の首脳が集まる国際会議で、群読するのはどうだろうか
21世紀になっても戦争が無くならない。
哲学者カントの「永遠平和のために」をG7やG20など対立する国の首脳が集まる国際会議で、群読するのはどうだろうか。国際連盟設立にも強い影響を与えたほどであったと言う。今改めてこの思想書を読み返し、各国首脳が永遠なる世界平和を議論することは大変大きな意味があるのではないか。
第一次世界大戦時の米ウイルソン大統領は、大戦の講話に向けて「十四ヶ条の原則」を発表した。この原則はカントの上記思想を参考にしたとも言われている。また時期のロシア革命後にソ連を設立したレーニンが「平和についての布告」を発表したことへの対抗措置でもあると言う。あの時期、米ソがヨーロッパ平和構築に向けて主導権を握るために争っていたことを思うと隔世の感がある。
さらに興味深いことに米ウイルソン大統領が発表した「十四条の原則」には関税障壁の撤廃(平等な通商関係の樹立)がある。重い関税を課すことを盾に各国との貿易を有利に進めようとするトランプ大統領も、あの時代の思想に触れることは大切である。アメリカがグレートになりつつあったあの時代を目指してMAGAを進めれば、各国の協力も得られるかもしれない。