「優しさ」と「甘さ」
こんにちは,HARuです。今日は「優しさと甘さって一体何?」というお話。
教育をする上で私が大切だと思っていることがあります。
それは
『子どもたちに嫌われないこと』
子どもにコビを売るのか?!
と言われればそうではなく,子どもたちに嫌われないことと
コビを売るは実は同時に成り立たないと思っています。
今日はそのことについて少しお話ししていきます。
では,いってみましょう!
子どもたちに嫌われない教師
私は学校の教員の基本姿勢として「嫌われないこと」は
とても大切だと思っています。
例えば
あなたは嫌いな人からの意見を受け入れようと思いますか?
思いませんよね。
大人ですらそのように思うのです。
自分の感情に素直な子どもたちならなおさらです。
子どもたちと信頼関係を築くためにも,
子どもたちに嫌われないということは大切なのです。
嫌われないために
嫌われないと聞くと,人に「甘い」というイメージをいだかれるかもしれません。
コビを売ってへつらって子どもたちにヘコヘコするのかと
それが教育者としての姿なのか!
とお叱りを受けるかもしれません。
しかし,その認識は間違っています。
子どもたちは
コビを売る大人を嫌いにならないわけではありません。
信頼できると自分で判断するから嫌わないのです。
いくら甘くしたところで,子どもたちから嫌われないことにはつながらないのです。
むしろ,コビを売る教師は信頼されず,反対に嫌われることが多くあります。
「甘い」と「優しい」の違い
さて,ここで
「甘い」と「優しい」の違いについて考えてみましょう。
あなたはどう思いますか?
「甘い」というのは,自分のための行動です。
自分が相手から嫌われるのではないか,だから注意をするのはやめておこう
これが「甘い」人の基本的な思考です。
どんなことでも「いいよ」と言っているように思えますが,それは実は
自己保身のための「いいよ」であって
「(どうでも)いいよ」の裏返しなのです。
「優しい」はどうでしょう。
こちらは相手のためを思っての行動です。
時に厳しく,相手のことを考えて叱ったり注意したりする人
これを「優しい」人と言うのです。
子どもたちはこの「甘さ」と「優しさ」を見抜きます。
最初は「甘い」人に懐くこともありますが
徐々にその本質を見極め,その「甘さ」が自己保身だということに
気付きます。
ですので,学校において嫌われないというのは
「甘さ」の問題ではなく「優しさ」の問題なのです。
君子は和して同ぜず,小人は同じて和せず
この言葉をご存知でしょうか。
論語におさめられている孔子の話です。
意味は
というものです。
「優しさ」と「甘さ」という言葉を聞いた時,この言葉を思い出しました。
自分を持っているか,人に流されてしまうか
これが「優しさ」と「甘さ」に大いに関係するのではないでしょうか。
教師としての信念や思いが明確にあれば,子どもたちに対して「甘く」なることはないのではないかと私は思います。
「甘い」は悪?
では,「甘い」というの常に悪いことなのでしょうか。
実は,そうとも限らないと思っています。
人に厳しく他人に厳しい 自分に甘く他人にも甘い
こんな言葉がありますね。
ちなみに,あなたはどちら派ですか?
私は自分にも他人にも「甘く」なりがちです。
この時の「甘い」というのは
前述した「(どうでも)いいよ」という意味でしょうか。
私は違うと思います。
ここで言う「甘い」は
相手の全てをそのまま受け入れるという意味
だと思います。
自分のことも相手のことも
ありのままの姿を受け入れることが大切だと思っています。
自分自身に納得のいかないこともたくさんあるでしょう。
例えば
もっと背が高ければいいのに
もっと頭が良ければいいのに
もっとスタイルが良ければ…
というように人間の欲望には限りがありません。
さらに,人は「こうあるべき」という思考にもとらわれがちです。
日本人ならこれをすべき
先生ならこうあるべき
など
「べき思考」が世の中にはあふれています。
そして,それが「当たり前」だと言い張る方々も。
ですが,本当にそうなのでしょうか。
その「べき思考」は正しいのでしょうか。
全人類が共有すべき理念なのでしょうか。
ほとんどの場合そんなことはありません。
出来ないことが悪いというイメージを持ちがちですが
そんなこと気にする必要はないのです。
出来ないことは出来ないと認めればいいだけです。
自分よりも得意な人,自分よりも上手くできる人に任せればいいのです。
社会の仕組みは全てチーム戦です。
あなた一人が完璧である必要は全くありません。
だからこそ私は
自分にも甘く他人にはもっと甘く
を心がけています。
優しさと甘さの両立こそが
人としてバランスの良い生き方なのではないでしょうか。
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