エチュードのすゝめ
日本に外国の考え方入ってきた時代に、福沢諭吉は『学問のすゝめ』を書き、人は平等であること、学ぶ権利もみんなが持っていること。その中で有利に生きるために実学を学んでいることが重要であると説いた。
そんな福沢諭吉が生きた19世紀は、まさにクラシック全盛。福沢が生まれる10年前にベートーヴェンの第九が初演され、古典派の時代からメンデルスゾーンやシューベルトに代表されるロマン派の時代に。ヴィルトーゾの代表であるパガニーニやショパンやリストが活躍し楽器の表現の幅が広がり、ベルリオーズやリストが標題音楽を始めると、楽劇のワーグナーとその影響を受けたマーラーによるオーケストレーションの巨大化、印象派のドビュッシーによる和声の拡大、また自国の民族性を西洋音楽に持ち込む国民楽派も登場する。
そんなクラシックの時代から100年以上が経ち、著作権が切れたこの時代、当時のエチュードを使う権利は平等にある。それだけでなく、いまは各出版社がプロ奏者に執筆を依頼して教則本を出している。
(なぜかここまでレポート調でしたが)
上手くなりたいなら、それを使わない手はないでしょう!
エチュードの意義
エチュードは基礎的な技能を音楽的に実践してみる場だと思っています。「せっかくの基礎練が曲なると活きてこない…」みたいなパターンを目に(耳に)しますがその打開策としてエチュードは有効かと。
特にオーケストラや吹奏楽では1人で音楽が完結することはなく、パート譜をさらってるだけでは音楽の方向だったり、どんな表現をするかが身につきづらいのではないでしょうか?エチュードの良いところは、1人で出来るところ。また2分くらいで完結してるものが多いのもメリットです。
ウォームアップして基礎練したら、曲練の前にエチュードを挟んでみてはどうでしょう?
おすすめのサイトと本
エチュードやったほうがいい理由は述べたので、早速おすすめのエチュードを紹介したいところですが、全部の楽器のエチュードをぼくが知ってる訳もないので、今回はエチュードを探すための、オススメの書籍とサイトをご紹介。
① 洗足音大 4年間で修得すべき楽曲一覧
洗足音大のwebサイトで公開されている一覧で楽器とレベル帯で検索すると、原題と作曲家に加え出版社情報まで出してくれる優れもの。
「音大生が」とは書いてあるものの、初級レベルなら音大の入試課題レベルに設定されており、アマチュアでも十分取り組めるレベルかと思います。
(実際、ぼくが知ってるアマオケのホルンのオーディションは中級の楽曲から抜粋でした。)
②IMSLP
「エチュードは買おう」っていう先生もいますが、アマチュアが1人でさらうならお金かけたくないのが正直なところ…。このサイトなら著作権切れの楽譜がゴロゴロ転がっていて、15秒待てばダウンロードできるのです!
冒頭でお話しした通り多くの名作エチュードの著作権が切れています。①で見つけたらすぐに検索かけてみましょう。
※検索してもない場合はもちろん、解説を日本語で読みたい場合やページ数が膨大で製本できなかったり、作業コストが高すぎる場合は買った方がでしょう。
上達の基本シリーズ(音楽之友社)
こちらA5版の本なのですが、本当に高コスパ!!
各楽器の名プレイヤーが基本から解説して下さってる本です。
楽器の持ち方や姿勢、呼吸や基本的な奏法はもちろんのこと、音楽や練習へ向き合うメンタル面の話や練習メニューの組み立て方、取り組むエチュードの紹介や楽器の選び方まで言及されており、まさに初心者から上級者まで使える本です。
楽器初めて7年目で手に取りましたが、今までレッスンの度に指摘されてきたことが体系的にまとまっててとても助かってます。
Amazonのリンク貼っておきます
まとめ
ここまで読んで下さった方はエチュードをやる気になってくれるかと思います。一歩レベルアップして、良い演奏に繋げていきましょう!
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