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すきなものを、すきだということ。

こんにちは。
こちらの記事に書いた、三浦しをん先生のサイン本が届きました。

こんなに早く届くと思っていなかったので、嬉しかったです。

中の袋から取り出して、サインを確認して、それからまた袋に入れてしまっておくことにしました。
読むためではなく、保管用にしておくつもりです。

「墨のゆらめき」は、三浦しをん先生の作品の中で、1番好きだと思います。


三日月ホテルに勤務している続力(つづきちから・文中ではチカ)は、大得意先の化粧品会社経営者・水無瀬氏のお別れの会に向けて準備をしていた。
遺族の意向で、招待状の宛名は肉筆がいいということになり、筆耕士の文字のサンプルが入ったファイルから選ばれたのは遠田薫(とおだかおる・文中では遠田)だった。
しかし、遠田の連絡先はメールアドレスしかなく、困ったチカは、退職した先輩の原岡に電話して聞くことにした。
原岡より、「退職に備えて、ファイルと名簿を作り直し、うっかり名簿に載っていた連絡先を削除した(遠田の父親が載っていたが跡継ぎに任せるとのことで削除した)」といわれてしまった。
原岡の記憶により、世田谷区の松原あたりが住所だとわかったものの、その後、遠田に電話したチカだったが、遠田には「線路沿いの道を5分」とだけ聞けただけだった。
かなり彷徨ったものの、チカはなんとか「遠田書道教室」と木製の小さな表札が掲げられた家を見つけられた。


ここから、「遠田薫」の正体、そしてあれよあれよと言う間にチカは遠田のペースに巻き込まれてゆきます。
でも、チカの語り口が淡々としているせいか、すいすいと流れるように話が進んでいきます。
だんだんと親しくなっていく、遠田とチカ。一緒に時間を過ごすことが自然になってきたころ、遠田の過去が2人の関係に影を落とします。
続きは、ぜひ読んで確かめていただきたいです。


そして、この作品を「BL」と言っていいんだろうか?と思い、三浦しをん先生のインタビュー記事などないかと検索して見つけました。

この記事の中で「好きなものを好きだと言う。愛を叫ぶ。いいものはいいと自由に表明する。誰だって、そうしていいんです」という、三浦しをん先生の言葉は、すごく響きました。


現実(本名の私)で生活しているところでは、小説を書いていることを公にしていません。文章講座の同期会のメンバーと講師には明かしています。家人は知っていますが、私の書いているものは見せていません。
創作(星崎いくよ)として活動しているところでは、しっかり自分の好きなことや書きたい小説などの話をしたり、創作されている方のnoteや小説を読んだり、文学フリマに参加するなどして、交流していきたいと思っています。
家人にも「今後は、創作の方に全振りでいくから!」と宣言しました。会社でも、嫌いな人に無理して合わせるのではなく(そうやって無理して、メンタルやられてこの1年書けなかった)、最初から関わらないことにしました。
おかげで、快適に過ごせています。


話を戻しますが、「墨のゆらめき」は、確かにBLではあるでしょう。
でも、人間同士の関係性として素敵な作品だと思います。
おすすめです。