電話占いで3日に1度、好きな女性の心理を確認する男性
むかーし、むかし、私が占い師になりたての頃のお話しです。
まだ、占い師としての経験が浅く、
占い師だけでは食べていくことができなかった頃、
経験値を積むために電話占いをしていました。
ある日、家で待機をしていると電話が鳴り、
「今日はどんな相談かな?」
そう思いながら電話にでました。
「はい、美槻です。お電話ありがとうございます。」
この時のご相談は、
”いま、昇進できるかできないかの瀬戸際なのですが、
僕は、昇進できますか?”
という普通のご相談でした。
私は、「鑑定しますので、少しお待ちくださいね。」
と伝えて電話を置き、鑑定をはじめました。
「お待たせしました。」
「どうですか?」
「昇進できますよ!!」
「本当ですか?ありがとうございます!」
この日は、このご相談だけでした。
そして・・・数日後にこの男性から電話がありました。
「先日はありがとうございました!先生の仰ったとおり昇進できました!」
「そうなんですね。昇進おめでとうございます。」
「ありがとうございました。また相談させてください。」
昇進の報告と鑑定が当たったことを伝えたかったとのことで
数分で鑑定は終了しました。
それから、一週間後・・・
「先生、先日はありがとうございました。」
「いえ、いえ、こちらこそありがとうございました。」
「今日は、恋愛相談なんですが・・・」
「はい、どのようなご相談ですか?」
「会社に好きな女性がいまして・・・」
「はい。」
「彼女の気持ちを知りたいんです!」
「では、鑑定してみますので、ちょっと待ってくださいね」
と伝え、電話を置き鑑定をしてみると・・・
「お待たせいたしました。えーとですね・・・」
「彼女、僕のことどう思ってますか?」
「良くは思われていますが、まだ恋愛感情には至っていないですね。」
「嫌われてはいないんですね。ありがとうございます。」
そして、3日後・・・
「あの、彼女の気持ち少しは変わりましたか?」
「いえ、何も変わっていないですね。」
「そうなんですね、わかりました。ありがとうございます。」
このような電話での鑑定が3日ごとに繰り返されいました。
1ヶ月経ち、ここまで状況が変わっていないことを不思議に思った私は、
彼に、現在の状況を確認してみました。
「あの、なにかアプローチされたりしてますか?」
「いえ、特になにもしていません!!」
え・・・?
「なにもされていないと言うことは、積極的にお話をされたり、お食事に誘ったりなんかもしていないということですか?」
「はい!」
え・・・?
なにか行動を起こさないと現状が変わらないことをお伝えすると
「時間が経てば自然と彼女の気持ちが僕に向いてくることってありますよね。」
え・・・?
も、もしかして?
「なにもしなくても、彼女が自分を思ってくれるようになるということですか?」
「はい。時間が経てばいろいろと変わってくると思って。」
(こころの声)そんなバカなことがあるわけがない。
「あのですね、なにかアプローチしていかないと時間が経っても状況は変わらないですよ。」
「え?自然と僕のことを好きになってくれることってないんですか?」
(こころの声)あるわけないじゃん・・・。
(こころの声)どうしてそう思えるの???
「できたら、話しかけて距離を縮めたりしていませんか?」
「うーん。でも、時間が経てば状況が変わってくると思うので、また鑑定宜しくお願い致します!」
(こころの声)ポジティブすぎる・・・
電話鑑定がちょうどきつくなってきたころ、
彼からの電話もつらくなってきたので、
この次の日に、電話鑑定を辞めました。
だって、なんど鑑定したって状況かわるわけないじゃん!!
最初の鑑定で、信頼を得たのは喜ばしいことでしたが、
ちょっと、これは・・・
どうなの?
と思えるお客様でした。
この後、彼がどうなったのか知る由もありませんが、
他の占い師さんを探して今でも同じことを繰り返しているのかもしれませんね。