ドラマ『X‐ファイル』から学ぶ未知に対する向き合い方
最近、1993年~2018年ぐらいまで続いたアメリカのドラマ、
X‐ファイルを一気見したのですがかなり面白かったし、
結構、学ぶところも多かった。
X‐ファイルは科学等では説明のつかない事件を扱うFBIの部署で、
捜査官のモルダーとスカリーが解決のために奮闘する。
物語は様々な超常現象やそのように見える難しい事件を解決する、
1話完結型の話と主に宇宙人と政府の陰謀を暴くため、
真実を追い求め危険を冒してでも奮闘する連続した話に分かれてます。
主人公のモルダー捜査官は幼い頃、宇宙人に妹をさらわれた経験から、
超常現象にのめり込みX‐ファイルで活動していくことで、
徐々に誘拐事件の真実やその裏にある真実。
アメリカ政府、世界規模で行われる陰謀のかけらに触れていきます。
真実を追い求めるという確固たる意志を貫こうとするモルダーは、
時に自身を省みず危険を冒すこと、法や規則に反する行動も多いですが、
それをいさめ冷静に物事を進めようとするスカリー捜査官に支えられ。
様々な物事を乗り越えていくという話。
ようはX‐ファイル、超常現象という科学では説明し難い未知の物事に対し、
どのように向き合っていくかを描いた物語だと言えるのですが、
モルダーとスカリーのコンビがうまく互いの欠点を補い合ってる。
先に話したようにモルダーは幼い頃の経験から超常現象に肯定的で、
事件現場の状態などから時に突拍子もない、飛躍した推理を展開する。
逆にスカリーは科学的な常識、法や規則、倫理を重んじる性格で、
1つ1つ因果関係を紐解きながら科学的な推理を展開します。
これって人が持つ思考の2面性をうまく表現してると思うんですよ。
よくお話することですが人には意識と無意識、2つの思考傾向があり、
両者が別々の能力や基準を用いて考えを展開している。
意識は主に想像力を駆使した自覚的な思考であり、
無意識は過去から積み重ねてきたものを元に、
反射的な反応を軸に思考します。
この2つの思考傾向を当てはめるとモルダーは意識優勢の思考が強い、
過去にはなく科学的に証明されてないようなことでも、
あり得るかもと想定(想像)し飛躍した思考を展開する。
対してスカリーは無意識優勢の思考が強く科学という蓄積された知や、
法や規範などの積み上げられた経験から生まれる基準を用いて、
未知の物事を過去の延長線上に捉えようとする傾向が強い。
その思考傾向故にモルダーは時に推理が飛躍し過ぎて真実から遠ざかる、
スカリーはいくつもの超常現象を見てきたにも関わらず、
過去の延長線上にある明確な答えに縛られ本質を見落とすことも多い。
どちらも1人であればうまくX‐ファイルの事件を解決できないでしょうが、
2人が揃うことで互いが互いにできない思考を展開し時に意見を衝突させ、
徐々に調和させていくことで真実に迫っていく。
その過程がこのドラマの面白いところで同時にこの過程こそが、
人が人生を歩むうえで必要なことではないかと思う。
現実にX‐ファイルのような超常的な事件や物事はそう起きないでしょうが、
例えば未来のために何をすべきかなど現状定まらない未知の物事を見据え、
できることを積み重ねていくということは誰であれやっている。
未来を考えるうえでは過去から積み重ねた知識や経験に頼るばかりでなく、
これから起こるかもしれない未知の状況を少なからず想定し、
できる限りの対策を取っておくことも大事でしょう。
つまりは意識的と無意識的、2つの傾向から導き出される思考を、
うまく調和させて現実に反映させていく必要があるわけです。
X‐ファイルではモルダーとスカリーがそれぞれの思考傾向に偏り、
物語を通じてうまく思考を調和させる過程が描かれている。
そしてこれを人は個人として行うこともできる、
先にお話したように2つの思考傾向を同時に持つのが、
人という生き物の良くも悪くも逃れられない性質だからです。
人が集まって構築される社会もまたそういう2面性を備えたものであり、
時に調和し、分断し、偏り、前進したり後退しながら未来に向かうもの。
そういう未知の未来等にうまく思考を、引いては言動を合わせるうえで、
2つの思考傾向をしっかり把握しできる限り制御しておくことが大事だと。
X‐ファイルを見て改めて学べたというお話です。
もし機会があればそういう視点で見てみると面白いし役立つと思うので、
ぜひ試してみてもらえればと思います。
では、今回はここまでです。
ありがとうございました。