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キャリア的視点261 -プレイングマネージャーの憂鬱-
毎日ブログ 261日目(2020/11/15)
プレイングマネージャー
皆さんの会社組織にもプレイングマネージャーなる人はいますか?
あれをちゃんとこなせる人は、私はすごいと思うのです。
要するに選手 兼 監督です。
2006年に「代打、オレ」で評判になったヤクルトの古田兼任監督が、選手 兼 監督として2年間つとめていますが、それ以前は29年間、兼任監督はいません。
サッカーではJリーグ規約に兼任監督の禁止が謳われているくらいです。
それだけプレイングマネージャーって大変なんですよね。監督とまで行かずにコーチくらいなら… なんて声もあるかも知れませんが、それでも十分に大変です。
メリットはメンバーと同じ仕事をやりながらサポートすることになるので、メンタル面のサポートまで対応しやすい事が挙げられるのですが、それは普通に選手出身であれば似た様な事は可能なのではないでしょうか?
逆にデメリットとしてマネージメントが雑になりやすいのです。
結局、マネジメントが雑になって部・課としての下がった売り上げを、自分自身がプレイヤーとして補完している印象です。
先に結論を言えば、プレイングマネージャーが稼働できる環境には、メンバー一人一人の自律心が不可欠になるという事です。
マネージャーがマネジメントをしなくても勝手に成績を上げてくれる組織。マネージャーはトラブル対応に出ていくのみで運営できる組織。
これがプレイングマネージャーの活躍できる環境なのです。
プレイングマネージャーの現実
しかし実際のところは、どうも違う様です。人員不足の中でもマネージャー自身が営業に回らないと売り上げがあがらないのです。先に書いた様に補完して回っているのです。
どうにも私はプレイングマネージャーというものに否定的になってしまいます。
それは単純にこれまでの職業人生の中で見てきた人達がプレイヤーとしてもマネージャーとしてもどっちつかずで、どちらかと言えば「プレイヤーの営業所代表」程度でしかなかったからだと思うのです。
もちろん私自身も同じです。兼業でやっていると、専業でやられている人にはそれぞれで及びません。仕事時間は1日8時間しかないのですから。
私がプレイングマネージャーに対して否定的なのは、彼らがもともとプレイヤーでそこを認められて昇進したのであればなおさら、自分自身が成績を上げることに夢中になってしまい、マネジメントを怠る姿を視てきたからです。
それによってメンバーが不満を抱いていても、不安に思っていても、ただひたすら「ついてこい」と言わんばかりに前を走り続け、マネジメントとしてメンバーを振り返る事がなかったからだと思います。
放っておかれた結果、退職という選択肢を選ぶ人が出てきてもおかしくない状況を経験してきたからです。
もちろん中にはプレイヤーとしてもマネージャーとしても一定の成績を挙げている人も大勢いると思います。
1日8時間の中で、それなりの成績を収める為には余程に効率的に動けるのでしょう。
プレイヤーとしても、マネージャーとしても才能があって、本人の意思があって、周りの協力があって、経営陣の理解があって(そもそもこれがない場合はナンセンスです)始めてプレイングマネージャーというのは機能するのだと思います。
企業にとってのプレイングマネージャーの存在価値
私がプレイングマネージャー制度に賛成いたしかねるのは、どっちつかずになってしまうケースが多く、かつ、そうなった時に企業としても「彼には向かなかったか、残念」といったテスト運用的な要素を感じるからです。これは偏見かも知れませんが、それで潰れてしまう人がいた時に救われません。
プレイヤーとして優秀だったからこそ、チームのマネジメントを任されたはずなのに、そのマネジメントの方法も教えられず、そこに集中できる環境もないままに「向かなかったか」「まだ早かったか」なんて言われても、果たして納得できるものなのでしょうか。
なぜ企業はプレイングマネージャーを制度として取り入れているのでしょうか?
流行っているから?
何となく格好良さげだからでしょうか?
その答えはやはり、最初に書いた様に人材不足なのだと思います。
正確にはマネージャーが不足しているのでしょう。
それはそうです。本来、営業と管理職は別の資質が必要なのですから、成績の良いプレイヤーがそのままマネージャーとして優秀とは限らないのです。下手をすると会社の損失になるかも知れません。
逆に成績の上がらないプレイヤーこそがマネージャーに適しているかも知れないのです。
一度従業員の資質を一人一人アセスメントツールなどを使ってみてみるのも面白いかも知れませんね(^^)
プレイングマネージャーとして無理にマネジメントも兼任させなくても良いのではないか、まだ埋もれている人材の中にマネージャーとして適任の方がいるのではないか、いっそ外部から引き抜いてくるのも手ではないか、とも思うのです。
今、世の中は既に出世だけを求めていない人達も一定数います。認められる事は嬉しいとおもうのですが、無理にプレイングマネージャーの様な役回りを作らなくても良い様に思うのです。
こんなところにも「縦型の1本道のキャリア」という日本旧来のキャリア形成の問題点が見えてきます。
今、社会は変革の時代に入っています。縦型1本道のキャリアから、変幻自在なキャリアへ。
であれば組織側もそれらを真剣に考えて、変化していく時なのではないでしょうか?
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個人の活性化を組織の活性化に繋げます。