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キャリア的視点227 -アルムナイを始める前に-
毎日ブログ 227日目(2020/10/12)
企業を辞める日
皆さんは転職の経験はありますか?
以前の会社を辞める時、どんな辞め方をしましたか?
皆さんは会社で同僚の退職に立ち会った事はありますか?
その時、辞めていく同僚はどんな辞め方をしましたか?
多くの方は退職をする時に、転職情報誌に書かれている事に従って【円満】に退職しようとします。
それまでいた会社に「何の不満もなく」「本当ならもっと働いていたい」けど「いろいろな事情」があって、辞めざるを得なくて辞める様にみせます。
何故、わざわざその様な「振り」をする必要があるのでしょうか。
もちろん、中には自分の目標の為に、スキルアップの為に、その他前向きな理由で辞めていく人も多いのでしょう。
しかし実際に責任者や人事が本人から聞く話は、殆どが表面的に取り繕った理由がほとんどです。
わざわざ『振り』をする理由は、最後まで余計なトラブルに遭いたくないという一心でしょう。
そして辞めた後は、一切の連絡を断ちます。
これは企業として、非常にもったいない話だと思いませんか?
アルムナイ
そもそも退職者を出さない事が肝心です。退職者が企業を辞める理由は、多くは「不本意な退職」ですので、これを無くす事こそが大前提です。
その対策は日常業務の中での【組織風土】によるところが大きいのです。それがあってこその今日の本題ですが、敢えてそこは飛ばします。理由は今までの記事を見れば、ヒントはいくらでも見つかるからです。
大前提の真の円満退社に向けて企業か用意しておくと良いものが【アルムナイ】なんです。
アルムナイ(alumni)
本来は「卒業生、同窓生、校友」の意味。そこから派生して企業の離職者やOB・OGの集まりを指します。
企業が一度は自社を離れたアルムナイを貴重な人的資源としてとらえ、例えば再雇用を行う事を言います。一度辞めたとはいえ、その企業の事を本当によく知っているんです。であれば、辞めた理由をカバーできれば最重要の戦力に繋がります。
ところが、想像できると思いますが、会社との関係性が悪くなって退職した場合、先ほども書いた様に、本人にとって不本意な退職をした人は、どんなに企業がアムルナイで再雇用を考えたとしても余程のことがないと対応しようとはしてくれません。
退職者を宝にするのか、毒とするのか
そもそも、日本の会社は退職者に対して「裏切り者」「離脱者」「無関係」といったスタンスを取る事が多い様に思います。事務処理が終わったら、もう他人というスタンスです。
それは冒頭で書いた退職者の心理と結局は同じなのだと思います。
正直アルムナイで再雇用とまで考えなくても、いずれは辞める従業員を在職の内からケアしておく事は、どこまでも大切な事なのです。
日頃からケアを繰り返しておく事で、そもそもの退職者を減らすことになります。それでも辞める人はいますが、真の円満退社で辞めた方は、退職後にその企業を悪くいう人はいなくなります。それどころか事あるごとに宣伝をしてくれる可能性すらあります。場合によっては新しい取引先になることもあります。
これは決して理想論などではなく、その企業で学び、自分の翼で巣立った従業員は、当たり前に恩返しをしてくれるのです。
例えばその逆を想像してください。逆のパターンを。退職者の9割以上だと言われる不本意な退職者が、外で企業の事をよく言えない状況を。
転職サイトなどに書き込むのです。友人たちの間で言うのです。退職者にとっての真実を。不平や不満の挙げ句に退職に『追いやられた』と。
これがどれだけ企業にとっての負債になっていくことか… 想像してみてください。
アルムナイを始める前に
現在、アメリカの企業のみならず、日本の企業でもアルムナイ制度は注目を集めています。
しかし、ここまで書いてきた様に、一朝一夕にはできません。アルムナイ制度を始めるよりはるか以前から、組織と個人の関係性の再構築が必要になるからです。
アルムナイという企業にとってもメリットの大きい施策を取る為には、それ以前からの従業員ケアが必要です。そしてそれは退職率を下げることにも繋がります。
その方法が気になる人事の皆さん、遠慮なくご連絡くださいね(^^)
従業員の心の声をどれだけ聴けていますか?
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