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#80 誰にも言えなかった後悔を家族に話した日 #しりとりでつなげ



ずっと気になってた‥‥


たくさんの人のお見舞いをしたけれど

どのお見舞いよりも、それは心残りで・・・

出会えた幸せを言いたかっただけ。

けれど私が使った英語が間違っていたのじゃないかと

とうに10年がたっているのにもかかわらず

ずっと頭から消えなかった。

ただ少しでも長く一緒に過ごしたかっただけだけど

どんなにか我慢させたのじゃないですか?

回想するたびに胸がズキンと痛いのは

私があなたの体の痛みをわからなかったからだと思う。

歌を最後まで聴いてくれたけど、

どんなに痛かったのか、聴き終わったあなたは崩れ落ちてナースコールを押した。

タイトルは "Holy Overshadowing"

愚鈍だった私を許してほしい、と何度こころで詫びたことか・・・

カードに書いたお見舞いの言葉

場違いなニュアンスであなたを傷つけたのじゃないかと

時がたってもずっと気になって誰にも言えなかったこと、

とうとう家族に打ち明けることができた。

たっぷりの涙が心のわだかまりを吐きだし

しょっぱいけれど、流すほどに心がふわりと宙に浮く。

「苦しむのは終しまい。

いまは天国にいる彼女も、ご主人だって、お母さんの言葉の完璧さなんか気にしなかったはずだ。

誰が会いに来たか、そこに心を込めたか、

肝心なのはそこだけだから、お母さん!」


ずーっと鉛筆で引いた線

ゆっこさんの企画に参加しています。

<しりとりでつなげ>
■ルール
・一文一文をしりとりでつなげる
・最後は「ん」で終える
・300字~500字程度
・ノンフィクション要素を入れる


10年前に、友人に会いにホスピスを訪れました。

その時に(当然相手は英国人なので) 英文で書いて渡してきたお見舞いのカードがあります。

帰ってから突然『文章が間違ってた』という思いが降りてきました。まるで彼女がもうすぐ居なくなる前提のような過去分詞の使い方をしたんじゃないか‥‥と考えるとあまりにも恐ろしくて誰にも訊けぬまま自分の中に封印しました。未だに正しかったか間違っていたかわからないままに‥‥

ずっと心にわだかまっていたのです。

亡くなった彼女の、ティーンエイジャーだった娘さんが昨日お嫁さんになりました。ご家族にカードを贈ったことがきっかけで、自分の家族に長年の心のしこりを打ち明けることができました。

そんな時にこの企画があることを知り、挑戦してみました。

うまく言えることではなさそうだから‥‥言葉の選択に制限があるならば書いても許されるかもしれない‥‥と。

その時彼女と一緒に聴いた曲がこれでした。


「娘さん、どんなにか美しかったでしょうね。 彼女の気品と心の美しさ、そして笑顔のまぶしさはあなたそっくりよ。 おめでとう おめでとう 」






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