#200 No rice, no life. ご飯のない人生なんて‥‥
一週間ほど前にこんな通知をいただいてしまい、Noteの優しさを知るとともに、今月になって一度も投稿をしていなかったことに気づきました。
毎日投稿どころか、毎月投稿すら危なかった‥‥ なに⁉ 連続投稿を2か月にですって⁉ ということは、2か月前の4月にも一度も書いていなかったということなのですね!
記事にしようと試みた下書きはいろいろ残っています。下書きのままで一旦PCを離れると、どうもそのまま日の目を見ないことが続きました。
コノエミズ、文章を書いてなかったというよりは、パラパラと書いては、まとめる根気を搾り出せていなかったようです‥‥💦
先日可笑しかったことがあるので、今日はそれを書いておきます。
いつものように週に一度、ReSTOREという古い家具を再生させる工房で働いていた時のことです。
その日はなぜか気怠くて力が入らないのです。ある人は気圧の関係かしら?と言い、ある人は新月だからかしらと言っていました。
「今日はなんかいつもの自分じゃないの‥‥」と伝えたところ、マネージャーのMちゃんが「You didn't have rice at lunch time!」と叫んだのです。(あなた、お昼に米の飯を食べてないんだもの)って感じです(笑)
そう、それは驚くような指摘だったのです。
その日は私、サンドイッチだったんです。家にご飯が残ってなかっただけの話なのですが‥‥
そういえば、いつも一緒に食べている私のランチがご飯じゃなかったことに「NO RICE !!!???」と驚いて「どういう風の吹き回し⁉」と訊かれたのでした。ミズカがランチタイムにご飯を食べていないのを初めて見たのだ、と。その午後のことでした。
あまりに断定的に、私に力が入らないのはご飯を食べていないからだ、と言うので、その仮説が可笑しくて笑いました。
そういえば彼女には、ここ半年ほどイギリスで手に入るイタリア産の短米(日本米にとても近い)の品質が急に落ちていること、粘り気がないのでおむすびにできないこと、時間が経つとパサパサになることを聞かせていました。
食べているお米が美味しくないと人生の質(Quality of life)に関わるということを私が切々と語っていたのもよく知っています。
マネージャーのMちゃんとフレンチポリッシュ職人のR氏が、力ない私に「絶対ご飯食べてないせいだ」と囃し立てたので、そうかもそうかも、と調子に乗った私。
「日本人にとってお米というのはね‥‥」とつい想いが溢れ、お米愛がほとばしってしまったようです。
それはもう、日本人にとって「米の飯」がどれほど命そのものであり、お米一粒ずつに神様が宿ると言われることから、お米一粒一粒に敬意をもっていただくこと‥‥。
こちらではお米はほかの食材と同様に、お皿に食べ散らかっているのが割と普通なことです。我が家では絶対にお米一粒でも粗末にしないことを話すと、ふたりとも目を丸くしていました。
戦争中の食糧難では「米の飯」は憧れであり、夢に出てくるほど恋焦がれたはず‥‥気づけば、それほど日本人はお米が大好き過ぎるのだと力説していました。
それで思い出したので、こんな話まで‥‥
それは、イギリスへ来てまだ間もないころの、長男のナーサリースクール(幼稚園)での出来事。
子どもたちが遊んでいるのは、室内用のサンドプレイ(砂場)トレイに入った白いもの。それはインドカレーと共によく食べられる長米でした。
イギリスの砂場は足つきのテーブルの高さのトレイに入っています。子どもたちはそこに砂の代わりに入れられたお米をカップやスコップですくっては別の容器に入れたりしているのですが、小さな子ども達の手さばきですから、お米は見る見るうちにトレイからこぼれ落ちて床に飛び散ります。
先生たちは床に落ちたお米は箒と塵取りで集めて即ゴミ箱に捨てます。
「なぜお米⁉」と訊いた私に、先生は、このほうが砂場用の砂を買うよりも安くて口に入れても安全なのだと教えてくださいました。
何ともない顔をしていましたが、たぶん私は心で泣いていました。
(((( おこめであそぶなんて 工エエェェ Σ”(⚙♊⚙ノ)ノ ェェエエ工‼ ))))
((((あそんですてるなんて ゲッ!(꒪ꇴ꒪|||)⚡ ))))
まあ、そんなこともありました。こんなカルチャーショックも乗り越えて生きている私ですが、この日、元気のなかった私がしたことは決まってますよね。
その日はパスタにしようと思っていたのですが、予定を変えて、帰ってから大急ぎでご飯を炊きました。
よくよく思い返せばその日ばかりか、前の日も終日ご飯を炊いていませんでした。丸2日ご飯を食べていなかった私がご飯を食べたらむくむくと力が湧いてきたんです。
嘘みたいで本当だったので、それがなんだか可笑しくて‥‥
自分では気づいていなくて、ほかの国の人たちからは見え見えだったことが無性に可笑しくて‥‥
ご飯をいただく度に日本人でよかったと思います。
大好きなお寿司はご飯がなくては成立しません。
納豆だってお味噌汁だって、ご飯がなかったら欲しいと思わない‥‥
タイトルの No rice, no life というのは、大袈裟でなく「ご飯がなけりゃ人生じゃない」って感じの気持ちでございます。#200 という節目に、ご飯がどれだけ私の人生に喜びをくれているか、という米賛歌を残すことにします。
ちょっとひとりよがりな内容ではありますが、これで毎月投稿を繋げておけるのなら、なんだって書いておきますとも‥‥