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地相とか家相とか

先日、建築のお友達界隈で「建築の儀式」について話題になりました。

有名な儀式だと土地の神様を鎮める「地鎮祭」
工事の途中で行う「上棟際」
完成したあとい行う「静祓際」

上記の3つではないでしょうか。

家作りの祭事の詳しい記事はSawa~建築士のあたまの中さんの記事で
分かりやすくまとめられています。

現在は省略するところも増えているらしいのですが
私の住んでいる地域ではほぼ100%「地鎮祭」は行います。

棟上げの日の「上棟式」も簡略であっても必ず行っています。
上棟式は棟梁が無事に工事を進められるように祈願をして
一言挨拶をしたり手締めをしたりします。
最後に集まっている関係者で乾杯をするのですが
おちょこに少し口の先を付けて残りは土台にかけます。

ひと昔前は大工さんが勢いよくお酒を飲み
千鳥足で棟上げをしていたとか。
危ないですね~良い時代ですね~

今回はこのような儀式のお話ではなくて

「地相」「家相」など新しく家を建てる時の
様々な迷信事について書いてみたいと思います。

普段は迷信や俗説に過ぎないと思っていても
わが家を建てるとなると強い関心を持つ方が非常に多い為
建築関係、設計者もひと通り知識を持っていることが常識のようなところがあります。

1.地相

新しく家を建てる時、実家の立て直し、
親、親族が元々所有していた土地で無い限り
は新しい土地を購入することになります。

一からの土地選びって大切ですよね。
建ててしまったらなかなか動けませんから。

私自身が土地を探す際にまず気になるのは通勤通学の距離、
その地区、隣の家の人柄や日当たり風通し景観などですが
地相とはもう少し土地の運気?迷信めいたものをイメージしています。

良く聞くのが長方形の土地が
三角形や旗竿の土地はです。
家相的にも建物が欠けている形状が良くないので
そもそもの土地が長方形であることが重要な様です。
長方形の方が構造上も納まりが良く強く丈夫な家を作りやすい
間取りも作りやすいといった物理的な利点からだと思います。

その利点の逆から生じる様々な悪影響からか三角形の土地は精神が不安定になる、土地のエネルギーを効率良く
受け取れない上にその土地から離れられなくなるなど・・・
三角形の土地に三角形の家なんかもっての他と地相では言われています。
設計屋さんからしたら面白そうな設計が出来そうで
ワクワク案件ですが。

旗竿の土地は道路から見通しが悪く空き巣に狙われやすいから、とか。
理由が普通に合理的。

もともとが埋め立て地や盛り土ではないか、地盤が弱くないかを
確認した方が良い。と地相に関する書籍に書いてありましたが
地相とか関係なく土地を探す際の必須確認事項ではないでしょうか。

敷地の形状で「金持ち」「蓄財」「繁盛」「貧乏」「火難」などに
分類することもあるようです。

自分の今住んでいる家がどのような形状なのか
調べてみるのも面白いかもしれませんね。

2.家相

家相も古い歴史があり遡ると平安時代中期になるそうです。

快適な文明に溢れているな現代と違って
先人は自然災害や四季と身近に暮らしていました。
過酷な環境を乗り切る為に住まいの知恵を盛り込んだものが
「家相」になります。

家相といえば最初に思いつくのは方位ではないでしょうか。

表鬼門、裏鬼門には玄関や出入りをする場所、水、火を取り扱う場所は避ける。あとは家族の十二支の方位も確認してそこにの上記同様の場所は置かない。このことを軽視するといじめやリストラ精神疾患に罹る、鬼門に置く部屋によっては病気の種類も細かく決まっているらしいのです。

なんと恐ろしい…
でもどうしても鬼門に玄関が来てしまっても大丈夫。
対応策があるとのこと。

ツッコミどころ満載です。

地相の方でも少し書きましたが張り欠けの多い家が良くない。

構造上の問題もありますが、張り欠けが多いと死角が増えてしまい
防犯上よろしくないという理由があったり、屋根形状も複雑になる為
雨漏りの心配がでてくるからです。

3.まとめ

かなり簡単にですが「地相」「家相」について書いてみました。

地相や家相は長い長い歴史の中で先人の知恵が蓄積されて
言い伝えられたことわざみたいなものだと思っています。
科学的に理にかなっているものも多くありますが
迷信めいたものの方が多くあります。

「学」として成立する部分は建築基準法になっていったと考えます。

現代に引用できる内容を上手く抜粋する力が無いと
方位・方角に惑わされ過ぎて運の良い家を作るはずが
運の悪い家になることもあるのではないでしょうか。

建築の仕事に携わる身としては面白く魅力的な分野であることに
違いありませんが、
本を見たり調べながらこの記事を書く中で気づいたことは
私は地相や家相にはあまり興味が湧かないということでした。

現在のそこそこ厳しい建築基準法のルールの中で建てれば
光が入らず空気が淀みきった家が建つことはまずありません。

そこに住む人が居心地が良い、幸せだと思える家であれば
凸凹だろうが凶相だろうが何でも良いのではないかと思っています。

相にこだわりたい方は家づくりを始めるかなり早い段階で「家相建築家」という専門分野の方に依頼するのがベストです。

資料検索している最中に
「地相や家相を理由に当初の計画を白紙に戻した。」
なんて記事を見つけてしまいゾッとしました。

そんな事されたら私だったらしばらく立ち直れません。笑

地相も家相も、あと風水もほどほどに。



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