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日曜日の夜に、「幸せ」を再確認する

私は、ある音楽を聴くと、必ずと言っていいほど悲しい気持ちになる。

その音楽とは、日本テレビで日曜日の20:54から放送されている「音のソノリティ」という番組のテーマ曲である。

番組自体は、とても面白く興味深いものなのだが、そのテーマ曲が私のとある記憶を呼び起こすトリガーとなっているのだ。


夫と付き合い始めた頃、毎週末、金曜日の仕事終わりに一緒にご飯を食べて、そのまま私の家に泊まって、土日を一緒に過ごし、日曜日に夫が自宅に帰る、というのがお決まりだった。

当時、私の家から夫の家まではドアtoドアで2時間くらいの距離があったので、翌日からまた仕事の夫は少しでも早く自宅に帰りたかったはず。

だけど私はそんなこともお構いなしに「もう少し一緒にいたい」とワガママを言って、いつも夫を困らせた。

そんな私のために、夫は家を出るタイムリミットをずるずると延ばしていき、最終的に、「世界の果てまでイッテQ!」を観終わったら帰るということで落ち着いた。

※「世界の果てまでイッテQ!」は日本テレビで日曜日の19:58~20:54に放送されている番組で、20:54からは「音のソノリティ」が始まる。


つまり、私にとって、「音のソノリティ」のテーマ曲が流れる=夫が帰り支度を始める時間なのである。

だから私は「音のソノリティ」のテーマ曲を聴くと悲しい気持ちになる。

もっと一緒にいたい

そんな当時の気持ちを思い出し、心が苦しくなるからだ。

今は「音のソノリティ」が始まったからと言って、夫がどこかに行ってしまうことはない。

それでも、心が一瞬キュッと締め付けられるような気になる。

夫と一緒に住み始めて10年近く経つのに、いまだに当時と同じ熱量で悲しい気持ちになるのだ。


「そんなに悲しくなるなら、番組を観ない方が良いのでは?」と思う方もいるかもしれないが、私はそれでも観続けている。

単に番組が面白いというのもあるが、テーマ曲を聴いて当時の悲しい気持ちを思い出すことで、夫と一緒に過ごせている今がいかに幸せかを実感できるのが大きな理由だ。

感情の呼び起こし方としては健全ではないかもしれないけど、夫と一緒に「音のソノリティ」を観ることは当時の私が叶えられなかった「幸せ」であり、それを再確認する時間が私には必要なのだ。

この時間があるから、私は、夫と過ごす毎日が当たり前でないことを再認識し、一緒に過ごす時間を大切にしよう、と思える。

日曜日の夜は、私にとって「幸せ」を再確認する時間なのだ。


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