『ささやかなものたち』
日々の中に溢れている、取るに足らないささやかなものが好きだ。
遠くから聴こえてくる電車の音
道端に咲く名も知らぬ小さな花
ルリシジミの小さな羽ばたき
庭で鳴く鳥のさえずり
歩道橋から見る少しだけ高い景色
木漏れ日の揺らぎ
友人のお店で過ごすひと時
映画の始まる前の一瞬の暗闇と静寂
歩いていると香ってくる夕飯の匂い
昼と夜の間の青く染まる時間
涼しくなった夜に聴く秋の虫の音
頬を撫でる風
不意にやって来る沈丁花の香り
雪の朝
たんぽぽの綿毛
挙げて行けばきりがない日常を彩る些細なこと
忙しいと、つい忘れてしまう事柄でもある。
気持ちに余裕がないと、無いものとして通り過ぎてしまうささやかなものたち。それらは、ドラマチックな展開が用意されている訳でもなく、社会を動かす大きな何かでもないけれど、世界を構成しているほとんどは、そんなささやかな名も無きもので出来るのではないかのだろうか。
それらを感じられている時は、心の中は穏やかさで満ちている。
日常の中に溢れるきらめきを受け止める心の余裕や、ささやかなものに向ける視線の大切さを改めて想う。
あなたにとっての、ささやかなものはなんですか?
よかったら、そっと教えてくださいね。