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2020年IR優良企業賞からみるインベスターリレーションズ 【PR研究所085】

今回はPRのなかの一つであるインベスターリレーションズについて調べてみました。

IRとは

 まずそもそもインベスターリレーションズ(IR)とは何なのでしょうか。

 SMBC日興証券によると、

IR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)とは、企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績・今後の見通しなどを広報するための活動を指します。具体的な活動としては、ホームページ上における情報開示だけでなく、ディスクロージャー資料の送付や、決算説明会や各種説明会を開催したり、工場や施設などの見学会を実施したりするなど、企業によっては独自のIR活動を行っているところもあります。日本では、1990年代後半あたりから積極的にIRに取り組む企業が増えてきました。

 一見すると難しそうですが、要は企業から投資家に向けたコミュニケーション活動のことをIRと呼びます。

 投資家はいい投資先を探しているわけですが、そのとき企業のさまざまな情報をもとに投資するかしないかの判断を行なっています。そこに発生するコミュニケーションということですね。

IRの目的

 IRの目的は、投資家の投資判断のために、裏返すと企業の資金調達のために行われます。

IRの目標

 広報・PR概説によると、IR活動の目標は「資本市場において適正な評価を受けること」です。

適正な評価 → 適正な株価 につながります。

双方が納得いく取引ができるように、IRはとても重要な役割を果たしています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4496053764/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_JQHKVNTK4408D9ZZ3FQN

2020年IR優良企業賞 〜ソニー〜

 日本IR協議会は、毎年1回優れたIR活動を実施している企業を会員企業の中から選んで賞を送っています。

 2020年はソニーを含む3社が大賞を受賞しました。実際の事例から、どんなIRがすばらしいのかを探ってみます。

ソニー
2019年・2018年・1996年優良企業賞/2017年特別賞

経営トップが就任以来、投資家視点を踏まえて開示と対話を強化している。多様な事業を展開しているが、存在意義(Purpose)、価値観(Values)などを基盤にして統合的に説明し、長期的な企業価値向上への信頼感を高めている。統合報告書では価値創造のプロセスを簡潔かつ具体的に説明し、グループ経営の方向性を明確にしている。IR DayやESG説明会などのイベントや経営層とのミーティングの設定も的確で、毎年改善に努める姿勢が評価されている。

評価ポイントをまとめると

・経営トップが積極的に投資家とコミュニケーションをとっている
・意義や価値観など、企業のソフト面も重視している
・長期的な目線
・どんなことをやってきたか&どんなことをやっていくかが明確
・改善に努める姿勢

などがみられるのではないでしょうか。

 また企業はたくさんの情報を抱えている一方で、投資家は企業から出される情報をもとに意思決定をするしかないので、両者の間にはある種の情報非対称性がでてくると思います。

 企業にはどの情報を出して、どの情報は出さないのかという慎重なコミュニケーション活動が求められそうです。

 


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