2011年、auのケータイ/スマホで上野動物園のパンダ「リーリー」「シンシン」を並ばずみれる 【PR研究所055】
2011年、まだスマホの保有率が30%だった時代。
上野動物園のパンダ、リーリーとシンシンが人気を博していた年でもあります。あまりの人気に、毎日行列でなかなか見れない人も多かったとか。
そんな中KDDIは、auのケータイ/スマホ機種で上野動物園の「今日のパンダ」を限定配信することにしました。行列に並ばなくてもいい!というスマホの利点を活かしています。
(博報堂ケトル公式HPより)
このキャンペーンが行われた2011年は、スマホ保有率が30%に止まっており、そもそも全世代へ高い保有率を誇っていたとは言えませんでした。
今でこそ、スマホで限定コンテンツ〜というのは当たり前かも知れませんが、そんな王道なやり方でも、時代としては新規性も高くシンプルに良さが伝わっていたのかも知れません。
(2008-2017年 情報通信機器の世帯保有率の推移 総務省HPより)
一方で、上野動物園はリーリーとシンシンが大人気。2011年の2月に来日したばっかりでとんでもない行列でした。
(無類のパンダ好きとしては、小学生のときあたりにめちゃくちゃ行きたかった記憶がある)
日経新聞によると、当時は年間で471万人が訪れていたそうです。ヤバすぎる。
(マジキャワなシンシン。上野動物園HPより)
世の中はパンダで盛り上がる中、行列でなかなか見れない人もたくさんいました。そんな中、スマホで配信すれば行列に並ばなくともどこでもパンダを見ることができる!というベーシックな利点をKDDIと博報堂ケトルは企画に落とし込みました。
限定コンテンツはSNSを含めたくさんの拡散を得ることができました。
PRの事例として注目すべき点は主に1つあります。
世の中で起こっているトレンド(社会の文脈)に対して、ケータイ/スマホの利便性をどストライクに突いてきたことです。一見シンプルですが、それだけにかなり重要なポイントを押さえています。
社会の文脈:「パンダ来日!」「付随する課題(=今回はパンダをみたい人の行列)」「全世代が盛り上がってる」
ケータイ/スマホ:「普及率の伸びしろ」「どこでも通信してコンテンツをみれる」「若年層を中心に盛り上がってる」
このように、掛け算すると強力なPRになる要素が散りばめらていることがわかります。