「お客さんに飢えています。」路上に並べられたマネキンのメッセージ 【PR研究所035】
カナダはトロントQueen St. Westの路上に、大量のマネキンが並べられました。「お客さんに飢えています」「デリバリー担当にさせられました」など、マネキンはメッセージを訴えます。
これは、コロナの影響で客足が少なくなっている中小規模のお店が、復興のために行ったキャンペーンです。
(メッセージとともに哀愁漂うマネキン。Ads of the worldより)
大きなお店や大企業は、コロナ禍でもそれなりに生き残る手段があるかもしれません。しかし、小さなお店には手段を選ぶことすらできない状態のお店も多いことが現状です。
限られた手段の中でできた、一つのクリエイティブなPRです。
PR edgeによると「食べ物を恵んでください。私の分は BIG BOX(大企業)に食べ尽くされてしまいました」というメッセージもあったそう。
ブラックなおもしろさを含んだキャンペーンです。路上に並べられたマネキンたちが語る悲しいメッセージの数々は、SNSで話題になりました。
またカナダのメディアにも多く取り上げられ、トロントでは波紋を呼びました。
PRの事例として特に注目すべきは2点あります。
1つ目は、いい意味で「映える」という点です。道にたくさん並んだマネキンは、写真を撮った際にインパクトが大きいです。以前、道に転がるテディベアでも取り上げたように、メディアとの相性がよく考えられています。
2つ目は、ド直球に発信者のメッセージが伝わる点です。ブラックな面白さを含めつつ、コロナの影響でいかに苦しい状態か、ド直球に伝わってきます。一つの明確なメッセージを伝えたい場合、ド直球にPRを組み立てるのが1番効果的なのかもしれません。