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福島県の「米」を素材に作った、東日本大震災の復興へ取り組むプロジェクト Made in Fukushima 【PR研究所061】
2011年の東日本大震災。福島出身の僕ですが、当時のことを今もはっきりと覚えているくらい衝撃でした。
震災における直接的な影響もありますが、原発が生活に与えた影響の方が印象的です。数年たって除染をし、安全を証明しても、風評被害によって福島産の農水産業は大ダメージを受けています。
震災から10年経ったこの状況をなんとかしたいと、ドイツの会社METERは立ち上がりました。福島県の「米」からとれる稲わらを使って紙を作り、その紙で「Made in Fukushima」という本を出版しました。
このプロジェクトは、東京大学とNPO法人ふくしま再生の会が加わって進められていきました。
「Made in Fukushima」では、これまでに行われた除染作業のデータ等を開示しまとめることで、福島県の米がいかに安全であるかを立証していきます。各種産業へのインタビューや写真もたくさん掲載されており296ページにも及びます。
(そしてめちゃめちゃビジュアルもかっこいい、、!!)
上の公式ページからメアドを入力すれば、本が購入ができるようになるので是非入れてみてください。
福島について、ファクトをもとに風評被害を解いていくという目的。そして、福島産の米の売り上げを元の状態に戻すという目的で行われた素敵なキャンペーンでした。
PRの事例として注目すべき点は主に2つあります。
1つ目は、震災によってダメージを受けた福島産の「米」の視点です。福島産の「米」に関するファクトや写真などを公開するだけでなく、素材に「米」を使ってしまうというユニークな発想を取り入れています。つまり、Made in Fukushimaを購入するという行動が、もはや福島県の米の売り上げ向上に関わっているということです。より多くの人が、プロジェクトに対して実際のアクションを起こせる流れを設計しています。
2つ目は、今回立ち上がったドイツの会社METERの視点です。実はこのMETERという会社、土壌などの品質をチェックするセンサーを製造しています。福島の放射線汚染に関する土壌の検査など、かなり事業と密接なプロジェクトであることがわかります。福島を支援する、という社会的なスタンスを切るだけでなく、商品であるセンサーの推進も自然とされちゃいます。