あなたは、自分が思うよりずっと美しい。Dove「リアルビューティースケッチ」 【PR研究所019】
ユニリーバのDoveが「リアルビューティースケッチ」と題した企画が大きな共感を生みました。
プロモーション動画では、FBI捜査官のモンタージュ画家(目撃者の証言をもとに似顔絵を描く職)と、数人の女性が登場します。
画家は女性と直接顔を合わせることなく、2つの方法で女性の似顔絵を描いていきます。1つ目は、女性自身が自分の容姿を話すことで描くもの。2つ目は、第三者を介して女性の容姿を伝えることで描くものです。
出来上がった2つの似顔絵から、自分と他人による容姿の捉え方の違いを比べていきます。
すると、「自分の思う顔」よりも「他人からみた自分の顔」のほうがより美しく描かれており、ほとんどの女性が自分の容姿を過小評価していることがわかりました。
また、Doveの調査によると世界中の女性のうち約80%が「自分自身を美しくないと思っている」という結果が出ました。プロモーション動画に出てくる女性は、画家の描いた「他人からみた自分の顔」をみて涙します。
「You are more beautiful than you think(あなたは、自分が思うよりずっと美しい)」
Doveは「自分のことを美しいと思うのは難しいかもしれません。でも、すべての女性は自分が思っている以上に美しいということに気付いてほしい」とメッセージを呼びかけます。
動画は多くの共感を呼び、6900万回再生をされるとともに多くのメディアでも取り上げられました。
Doveは毎年「あなたらしさが美しさ」をもとに継続的に「美しさ」に関するキャンペーンを行っています。別のキャンペーンもPR研究所では取り上げていきたいです!
PRの事例として特に注目すべきは1点あります。
それは、毎年のキャンペーンも含めて、Doveが「美しさ」を応援するというスタンスが一貫性を持っていることです。最近だと、#美しさって?〜決まった形の美しさなんてない〜などのフレーズにあるように、時代に合わせて「美しさ」を応援するブランドだという立ち位置をとっています。ブランドのもっとも大事にするビジョンや価値観は一貫性をもち、かつ時代に合わせた切り口からキャンペーンを行っているところが注目すべき点だと考えます。