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新卒で辞めようとした私を支えた元店長

「もう辞めます。」
「帰りたいです。」
「しんどいです。」
しょっちゅうそう言いながらバックで泣いてた新卒一年目。
それを
「もったいない。」
と言っていつも止めてくれた当時の店長。

販売員として、成績は同期の中で一位。
店長たちが集まる会議で、私はよくいい話題に名前を出してもらっていたらしい。

その事実は素直に嬉しかったけど、
私は接客が嫌で嫌でどうしようもなく嫌で
今すぐにでも辞めたかった。

売れたら販売じゃない仕事がいずれできるかもしれない。
だから、売る。

それが仕事を頑張る理由だった私は、
嫌なことを頑張り続けることに、たまに無性に嫌になって泣きまくっていた。

そんな私を支えたのは、いつも当時の店長。
「ここで辞めたらもったいない。
売りたくても売れない子だっているし、
接客が好きなのに売れない子だっているのに、
みずほは売れてる。
もったいないよ。
もったいないから。」

もったいない。
私は頑張れるんだ。
頑張ったら結果がついてくるし、
いずれかもっと大きな結果としてついてくるかもしれない。

たくさん夢をみさせてくれた。
「辞めるな。」
なんて言わずに
「もったいない。」
って私に可能性を感じさせてくれた。

笑顔で売って、バックで泣いて
成績だけはしっかりついてくるのに
気持ちはゼロの私に
ゼロならゼロなりの
違う気持ちを持たせてくれた。
遅刻とかレジミスとか
目に見える「怒られること」よりも
相手の立場に立った時の気持ちとか
立ち振る舞いとか
目に見えないことで怒ってくれた。

24年間生きていて、初めて出会ったオトナの女性。
私もあんな風に歳をとりたいと思った。

そんな元店長と二人で餃子とレモンサワーな夜。
明日もなんとかやっていけそうです。


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