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世の鳥好きに全力で薦めたい『水車小屋のネネ』

発売当初から「あれいいよ」「読んだ方がいい」などの絶賛コメントを目にし、直接オススメされてもいたのですが、ようやく読めました。そして読んだ瞬間から誰かに薦めたくてたまらなくなっています。
動物と人間の関わりを描いた作品はいくつもありますが、ここまで心揺さぶられたのは久しぶりです。
この『水車小屋のネネ』は、水車小屋に住むヨウムの”ネネ”とそれを取り巻く人たちの40年間を描いたお話です。この物語が成り立つために、ヨウムの知能と寿命(50年以上生きることもあるんですって)が大きな役割を果たしています。犬や猫ではこの設定は成り立たないし、寿命が長いからといって亀ではこうはならない。
奇跡的な組み合わせの結果産まれた小説なんじゃないか、と勝手に胸アツになっています。津村さんがこの物語や設定に気づいたその瞬間の話が知りたい!もしかしたら著者インタビューなどでも語っているのかもしれませんね。でも、期待の高い本を読むときには周辺情報はなるべくシャットアウトして、そもそもオビやPOPの惹句すら見ないようにして読み始めるので、この世界の裏側を楽しむのはこれからゆっくりと、にします。

○○さんが褒めていたという情報があれば、それだけを信じて内容情報もオビ情報も全く見ず2,000円前後を支払える。そして”読んだらめちゃくちゃ面白かった”という経験をするたび「持つべきものは友だな」と思います。そして、そういう信頼できる友達に囲まれている事は幸せな事だな、と最近頻繁に感じるようになりました。
人生も、本もバトンのようなもの。人から支えられた感謝は次の世代に繋いで行かなきゃならないし、面白かった本や感動した本はすぐに人にオススメしようと強く思ったのでした。


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