見出し画像

犯人逮捕後の世界が続いている事を感じた秀逸な群像劇『リバー』

650ページもあると、本屋さんの店頭でめくってみるまでもなく圧倒的なオーラを感じます。さらにそこに来て様々な人の絶賛コメントを見ていたので急ぎ購入。正直、積ん読になるかもしれないけど、、、と思っていたんですが、読み始めたら数時間で読み終わっちゃったよ!(*目が腫れました

物語は渡良瀬川河川敷で女性の全裸遺体が発見されたところから始まります。連続で類似事件が起こる上に、10年前にも同様の事件が発生しており、当時犯人を逮捕できなかった現場は色めきだち…というお話。

150ページくらいまででぐっと心を持って行かれます。出てくる刑事が新旧世代の対決だったりリスペクトだったり、いい空気を持っていて「これは警察小説として読めるな」なんて思っていたんですが、その後主要登場人物の行動の輪郭がしっかり見えてくると、ああ、これぞ奥田さんらしい群像劇だなと印象が変わりました。もちろん警察小説好きの期待にも応えてくれるから大丈夫。

ネタバレを書きそうなので危ないのだけど、群像劇だからこそ、犯人逮捕後の登場人物たちの心や生活に思いを馳せてしまうのです。「おしまい」と単純な大団円で終わらせていないところにリアリティを感じました。

ただ、どうしても「あれ、どういうことですか!?」と答えあわせをしたい事があるので、読んだ人と話し合いたくなります。みんな、早く読もう!



いいなと思ったら応援しよう!