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『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』
柚月裕子はとても好きな作家で、それこそ「出たら全部読む、絶対」ということにしているんです。が、実は前作『合理的にあり得ない』が出たときには「あー柚月さんにはもっと巨悪に挑んで欲しいなー」なんて感想を持っていました。もっと重いヤツ期待。と。
そんなわけで、手元にあったものの少し放置されていた作品だったのですが、この暑さ疲れもあって気楽に読める本がいいなと手にとったら一気読み。前作を読んだのは発売すぐ、ドラマも未見(とはいえ、涼子が天海祐希だってことは知ってる)での2巻目読書でしたが、記憶していたよりに仁義にあつい話になっていて水戸黄門的な安心感もあって大変楽しく読めました。
この本、問題があるとすると上水流涼子って名前がおぼえづらくて、どうやっても清涼院流水と被るんですよね。検索出来ず適当な名前で探してしょっちゅうコズミックを引き当ててます。
謎解きというより人助けの話が多いので、そういう意味でもテレビ向きの原作ですかね。前巻より人の顔が見えるようになっていたことも、本に入り込みやすくなるポイントでした。
お金がないことが一番の悩みになっていそうな上水流事務所ですが、その出自にはまだドロドロした何かがありそうなので、早くそれを重めに描いて欲しいと思うのでした。