サンタクロースの落とし物 ③

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そしてブルーは
街とは反対の森の方に向かって
走りだしました。

サンタの家は森の奥の奥深い所にある
と、昔聞いた事があるからです。

ブルーは何も考えずに
走って走って走りました。

けれどサンタの家は見つかりません。

「どうしよう…」

ブルーが途方にくれていると
少し先の方に見た事のない
木の矢印板が建っています。

近寄ってみると、そこには

【Santa house】

という文字と矢印が書かれていました。

(こんな板、今まであったかなぁ?)

そんな事を思いながらも
今はこの板を信じるしかありません。

ブルーは矢印の方に進む事にしました。


どんどん進んでいくと
また同じ矢印板が建っています。

ブルーはまた矢印の方向に進んで行きました。


日も暮れかけた頃…

急に周りが見えなくなる程の
強い風が吹き始めました。

「うわっ!!」


ブルーはプレゼントが飛ばされない様に
しっかり抱きしめて風が止むのを待ちました。

けれど風はどんどん強くなり
嵐の様に周りは真っ白で
何も見えなくなってしまいました。

ブルーは不安になり
このままお家に戻ろう
なんて思いが頭を過ぎります。

けれど、手に持っていた
バーバラへのプレゼントを見たら
そんな思いもすぐに吹き飛びました。

「サンタにこれを届けるんだ」

そう、ブルーが心を決めると
少しずつ嵐の様な風は止み、
空からはシンシンと静かに
雪が舞い降りてきました。

その雪は不思議と
いつもの雪より
キラキラ輝いて見えます。

「あっ雪だ」

と、ブルーが俯いていた顔を上げると
周りの景色が今までと違う様に見えました。


「あれ?僕どこに来ちゃったんだろう」

少し不安になったブルーは辺りを見廻すと、
遠くの方で煙突からでる煙が見えました。


「誰かのお家があるのかな?
とりあえずそこで、道を聞こう」

そう思ったブルーは
また、歩き始めました。


暫く歩くと
さっき見えた家が一軒ありました。

その家のポストには

【well come to Santa house】

と書かれているではありませんか!!

ブルーは驚きました。

「ここ本当にサンタクロースの家なの?
 サンタクロースは本当にいるの?」

ブルーはドキドキしながら、
その家のドアをノックしました。

けれど、何の返事もありません。

今度は大きな声でいいました。

「こんにちは、どなたかいますか?」

すると、トコトコと足音が聞こえ
ギギーっと扉が開くと…

そこには、イタズラトナカイが立っています。

イタズラトナカイは
優しい笑顔で言いました。

「ようこそ、サンタの家へ!!
 外は寒いから、中にお入りよ。
 今サンタを呼んで来るから」

と、暖炉のある部屋にブルーを通しました。

トナカイは暖炉の前に椅子を置き

「ここで温まって待ってて」

と、ブルーに告げると、
奥の部屋へと行ってしまいました。

ブルーは椅子に座りドキドキしながらも、
暖炉の暖かさにホッと
胸を撫で下ろしていました。

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