白髪になりたい
駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。
今回のテーマは「#ヘアースタイル」です。
そういや子どもの頃、母の白髪を自宅用ヘアカラーで染めてあげながら、
「お母さん、歳とったんだなあ。苦労もかけたし。私もいつかこのように白髪頭になるのだなあ。」
となんとも言えない気持ちになった。
そうしてるうちにも体に悪そうなつんとする香りがバスルームに充満してきて慌てて窓を全開にしたりして。
自然派の誰かがカラー剤は枯葉剤の一千倍も毒性があるって言ってたけど本当かな。ベトナム戦争では、大量の枯葉剤が撒かれ、その村で生まれた体が一つの双子、結合双生児のベトちゃんドクちゃんが日本では有名だ。この村では奇形やがんが多いのだとか。それを別にしても植物を枯らしてしまうのだから枯葉剤が人間にとってもいいものであるわけはない。それより毒性が強いって、怖。
白髪が目立つまではカラーリングを控えよう。白髪が出てきたら染めなきゃいけないし。
そう決めた私は30代はほぼ黒髪で、来るべき時に備えてカラー剤を避けて髪と頭皮を労って過ごした。
40歳に差し掛かるとやはりぽつぽつと、だが急激に、白髪が出てきた。
黒髪の中で白く輝く白髪の存在感たるや。美容師さんと相談して、
「まだ全体的に白髪染めをする必要はないからハイライトで馴染ませましょう」
ということになった。学生時代の茶髪ブームの時以来、カラーリングしてみた。確かに全体的に明るい髪色にすることで白髪が少し目立たなくなる、ような。
似合うメイクや服の色も変わるし、なんなら全体的な雰囲気も変わるよな。
いい気分転換になった。
しばらくは通常のカラーリングで、ハイトーンな頭を楽しんで、美容師さんに、
「そろそろ白髪染めにしましょうか」
と、提案されるくらい白髪が増えてきたら白髪染めを始めよう。白髪染めはカラー剤より白髪がよく染まる代わりにあまり明るい色にはできないそうだ。だったら思いっきり黒くしてみようかな。西加奈子さんみたいな黒髪ショートに憧れるけど、私じゃ小学生男児みたくなるな。
アダムスファミリーのお母さんみたいなミステリアス熟女でいこうか。
染めども染めどもすぐ白くなる根元に嫌気がさしたらグレーヘア(シルバーヘア)にしたいと思う。近藤サトさんや小雪の姉・弥生さんなどステキ大人女子達が白髪の印象を変えてくれた。若さが妙に賞賛される日本において歳を重ねた美しさを知らしめたと思う。なんだか白髪を生かしたグレーヘアが楽しみになってきたぞ。
文:べみん
編集:otaki
ジャンルも切り口もなんでもアリ、10名以上のライターが平日(ほぼ)毎日更新しているマガジンはこちら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?