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Mステの観覧席と黒い服の話
人生で1度だけ、Mステの観覧席に座ったことがある。高校生の時だった。好きなアーティストのファンクラブ経由での抽選に当選し、夜の8時に六本木に行くと言う経験をしたのだ。高校生なんて今思えばまだまだ子供なわけで、かなりドキドキしたのを覚えている。
正直、ドレスコードらしいドレスコードがあったかどうか記憶にあまりない。「暗い色の服は避けて」と言う様なことが書いてあった…と言う僅かな記憶だけがある。理由がわからなかった私はネイビーだか黒だかのニットを着ていった。ファッションに興味ないタイプの高校生だったので、服装のバリエーションがかなり少なかったのも理由の1つだった。言うなれば、着ていける服がそのくらいしかなかったのだ。
控室で案内役の人は、私含めたその場にいた女性たちに「脱げるなら黒い服は脱いでください」と言った(※重ね着のこと)。「黒い服が並んでると、お葬式みたいに見えちゃうので」と言うのが案内役の方の言うところだった。なんとなく、私に向けて言っている様な気がした。そのくらい、私の服装は黒かったのだろう。
客席は華やかであること。何故なら「アーティスト達のファンもこんなに華やかなんですよ」と示すため。大人になった今でこそ、黒色の服もそこそこコーディネートに取り入れられるレベルにはなっただろう、と自負している。それでもやっぱり、気持ち的には苦手な感情が走る。ブラックコーデも出来なくないが、正直あまり好まない。やっぱりあの時の言葉が過ぎる。「お葬式みたいに見えちゃうので」。
ドレスコードが黒ならいいんだけど、そうでない場所で黒い服で集まるのって、もしかしてアーティストに対して失礼なのかなぁ、とあれ以来思っている。思いっきりのオシャレって、どう頑張っても色が入るじゃない?単色って、白でも黒でも存在感ないんだよね…。圧があるのと存在感があるのは話が別なんだわ…。
※個人的に
存在感=華やかさ
圧=態度の悪さ
だと思っている。
「圧がある」って「威圧感がある、態度が横柄」ってことだしね。特にブラックコーデで存在感出すのはめちゃめちゃ難しいと思うんだな〜。
さて、あの時の私は、高校生ながらに、その暗い色のニットを着ていた自分が正直言って恥ずかしかった。こんなものしか持っていなくて、唯一着ていけるそこそこな服を、心の底から恥じていた。でもあの経験が無ければ、オシャレってどう言うことなのかを理解するチャンスはなかっただろう。いつまでももっさい服で満足していたかもしれない。
何気なく気になって、私が観覧席に座ったのはいつだったのかを調べてみた。2005年11月。奇しくも今から丁度15年前だ。15年前の「恥ずかしかった」思い出を、今こうして昇華できたのは、何かの縁なのだろうか…と思い、あの時の思い出の曲も一緒に載せておこうかな。
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