口臭の自臭症 体験談 その1
はじめに
私は中学3年生で自臭症になった。自分の口臭が気になって気になって仕方なくなったのだ。そこから、私の人生が壊れていった。それでももがいて、必死に生きた結果、今はある程度克服した。私の体験、克服への道のり、そして現在を少しずつ記していく。このノートがどこかの誰かへの一助となったら幸いである。なお、身バレ防止のために所々フェイクを入れているが、本筋は大きく変わらない。
事前情報
今思うと、私は自分の臭いが気になりやすい人だった。初めにそれをまとめておく。
・周りの視線が気になる。(幼少期から自分の容姿が嫌いで、誰かに自分の顔を見られるのが嫌。また、失敗を極端に恐れる。変なことをしていないか周りを窺う癖あり。)
・歯に食べ物が挟まりやすい。(発症前から、ネギを食べた時は口の中が臭うと感じていた。)
・口呼吸になりがちで、口の中が乾燥しやすい。
・緊張しやすく、口の中が乾燥しやすい。
自臭症になったきっかけ
まずは、いつ・どのように発症したのかまとめる。今でも記憶に鮮明に残っている。中学3年生の数学の授業中。当時顎マスクがかっこいいと勘違いしていた私は、その日も顎マスクをしていた。授業中のふとした雑談の中で、先生から「何で顎マスクしているの?」と聞かれた。その時私は何も考えず、「マスクが臭い時があるから。」と答えた。すると先生が、「え、お前口臭いの?(笑)」と言い放った。これが全ての始まりである。
(フォローしておくと、先生も悪気があったわけではない。たぶんそういう雰囲気だったのだろう。また、私がマスクの臭いに触れたのは、顎マスクがかっこいいことを誤魔化すためだけでなく、その授業は給食後だった気がするので、たぶん実際にマスクから食べ物臭がしたのだろう。加えてマスクの化学繊維臭?が苦手だったのもある(はず))
何はともあれ、その先生からの一言が、その日から私の頭の中にこびりついて離れなくなった。家に帰ると、口に手を当てて息を吐き臭いを嗅いでみた。「臭うような気もする?これはまずい。今口臭があるのか逐一チェックしなければ!」という謎の使命感に駆られ、学校では毎休み時間にトイレに行き、セルフチェック。学校で誰かと話している時に、さりげなく口の前に手を持っていきチェック。冬だったので寒いから息を吐き手を温めるフリをしてチェック。終わりのないチェック祭りである。
ただ、セルフチェックをしても、臭いがあるのかどうかよく分からない。そこで考え着いたのが、「他人の仕草で判断する」ことである。「鼻を手でつまんでいれば、それはもう確実に臭っているはずだ。相手を見て大丈夫か判断しよう。」これが悪手であった。
鼻をつまんでいなくても、鼻の前に手を動かしたのが気になる。顔を背けられたように感じる。咳き込まれたみたいだ。「今臭いと思われた、、、」という証拠集めが学校生活中行われることになった。
当然の如く、自臭症が悪化していった。常に周りを気にし、緊張で口が乾燥する。動悸が治まらない。そしてついに、クラスメイトから「お前口臭くね?(笑)」の一言を頂戴した。「早く卒業したい、、、」他の人とは違う理由から、早く高校に進学したくてたまらなかった。
「高校に進めば口臭を気にしないのでは?」と考えたのには根拠がある。私は中学時代帰宅部で、外部でスポーツクラブをしていた。そこでクラブ活動をしている時だけは、臭いのことを忘れられた。クラブが終わった後に気付く。「あ、臭い気にしていなかった。」口の乾燥や動悸もない。この時はまだ、「臭いを気にするコミュニティ」=「中学校のみ」だったのである。だから、「クラブの仲間の何人かは同じ高校に行くし、よくなるんじゃないか?」と少し楽観視していた。(現実逃避とも言う)
今回はここまで。次回は、高校受験~高校生活編をまとめようと思う。