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4月を迎えるにあたって(令和3年度 介護報酬改定への適応)※4/26Q&A第8弾更新
例年の如く、福祉サービス第三者評価の繁忙期のため、noteの更新が約3ヶ月も滞ってしまいました(Twitterは相変わらず更新しておりますので、よかったらそちらもご覧ください)。
午前中は報告書を書いて、午後は会議と研修講師。#macbookpro #質感 #報告書は残り7本 pic.twitter.com/UD5RxPz51T
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) March 25, 2021
介護報酬改定目前のタイミング
2021年1月18日に介護給付費分科会で基本報酬や加算要件などが公表されました。各福祉関係団体で介護報酬改定の研修をさせていただきましたが、心から喜べない悩ましい改定になっているのは、すでにご承知の通りです。
「施設サービスにおける改定の加算や加算算定の要件等が、未確定な情報資料等で確認を行 うより、具体例や信憑性があると感じた。CHASEやVISITのことも理解が進みました。」
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) February 25, 2021
レジュメをとちったにも関わらず、温かい感想をいただき、誠にありがとうございます。
励みにして、精進して参ります。 https://t.co/69xHOo3BJW
ギリギリのタイミングでQ&Aも公表されていますので、まだの方はチェックしてみてください。
特に今回の改定のポイントは、LIFEへの情報提供とその活用による上位加算が算定できるという点でしょう。
国としても、「科学的根拠に基づく介護サービスの確立」を目指しています。
しかし、Aさんが下肢筋力維持のため個別機能訓練で10m歩くことが良いのか、辛そうにしているので5mから初めて徐々に伸ばしていく方が良いのかなどなど、画一的な介助や支援だけで達成できるかどうかは、以前の検討会の中でも指摘されていることは皆さんもご存知だと思います。
このLIFEへの情報提供を重ね、3年間後の診療報酬とのダブル改定のタイミングでどのように活用されるかに注目する必要がありそうです。
#介護報酬改定 の研修に向けて資料を読んでて気になって調べたら、#CHASE を利用するには、事前申請が必要だし、申請してもすぐには使えないし、マニュアル読むと結構めんどくさそうなので、厚労省へ情報提供して上位加算の算定を検討している法人は早めの手続きを!
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) January 30, 2021
今度、お客様に見せてもらおう。 pic.twitter.com/hi9LaeGB41
まず、使用するには登録が必要であり、時間がかかりますので、まだ登録していない施設・事業所は確認してください。
4月以降の3年間の経過措置期間の生かし方
各福祉関係団体で介護報酬改定の研修を行う際、事業継続計画や感染症対策、虐待防止対策など、3年間の経過措置期間をどう捉えるかを問題提起しています。
3ヵ年の経過措置期間をどう捉えるかが大事だと考えています。
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) February 24, 2021
3年後に作成されていれば良いのか、3ヵ年かけて実践レベルの状態まで PDCAに沿って取り組むか。
【提言】3年後は再び報酬減? 介護事業者は今後の荒波にどう備えるか | articles | 介護のニュースサイトJoint https://t.co/uxQ3uJAviV
研修では、童話「うさぎとかめ」をモチーフに、3年目に作るだけ作っておしまいの「うさぎタイプ」でいくか、3年間をじっくり活用しPDCAに沿って実戦レベルの状態まで作り上げる「かめタイプ」のどちらでいくかと問いかけました。
「うさぎタイプ」で様子をみて、3年目で追い上げると考えられる方もいらっしゃると思いますが、他施設・事業所の資料を参考にするのは良いですが、それを自施設・事業所に当てはめるのに1年で可能でしょうか?
それなら、がっつり時間と労力を投資しなくても、中核業務の洗い出しや通所系は家族・関係機関との被災時対応の意向確認など、今のうちにできることをコツコツ積み上げていってはどうでしょうか(計画的に進めるとなると、やっぱり「かめタイプ」になるのです)
皆さんの施設・事業所はどちらで進める予定でしょうか?
今回の改定では運営基準に関わる見直しが多く含まれ、介護保険に関わる施設・事業所の運営そのものの強化を図ることを国が示したと解釈できます。
大袈裟かもしれませんが、利用者、職員、地域を守れない施設・事業所には今後、介護保険サービスを提供してもらわなくても良いというメッセージであり、そういう法人は連携推進法人(公的なM&A)に移行してもらっても構わないという流れを強め、介護保険に関わる法人の淘汰を進めていくのではないかと考えています(要するに、税金を効率的に効果的に活用してもらえる施設・事業所に任せたいということです)。
知っている理事長の施設だからこそ、行政の考えと経営(運営)する社福との福祉に関する考え方や方向性の乖離が埋められなかったことが非常に残念です。
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) January 29, 2021
そして被害を被るのは利用者や家族という弱者であり、自治体の財政により福祉のあり方が左右される時代に突入した一片に過ぎないのかもしれない…。 https://t.co/MZQRhzanYQ
「福祉の心」だけでは社会の困っている人たちを助けられない時代に突入した以上、経営改善や組織づくりは福祉施設・事業所でも重要な要素となります。
防災士の研修でも見せていただいた地殻が動く様子を捉えた動画。3.11の衝撃の大きさに声を失いました。https://t.co/u7S4ZiZjGE
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) March 27, 2021
震度6弱以上の「予測地図」が公開に。世界の地震の約1割は日本周辺で起きている。チェックして備えよう https://t.co/uPH654nnQ9
新設された加算をどのように算定していくか、現場の業務プロセスをどう見直していくか、自施設・事業所を取り巻く災害リスクは何か、事業継続計画(BCP)をどのように作成していくか、感染症対策強化に向けた訓練(シミュレーション)を計画立ててどのように実行していくか、虐待防止対策強化に向けて…云々、と進めていくためには、経営層の意思決定により組織の職層ごとの役割に応じた立ち居振る舞いや発言を行い、組織に浸透させ、実践させていくことが必要です。
福祉サービス第三者評価には、組織マネジメントとサービスに関する項目が設定されています。
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) March 18, 2021
福祉施設はサービスに関する意識は高いからこそ、組織マネジメント項目に関する取り組みが重要なんです❗️#法人理念を踏まえた経営#組織の役割に応じた立居振る舞い#意思決定プロセスの確立#事業継続計画
福祉サービス第三者評価の項目においても、ほとんどの施設・事業所が明確に仕組みとして確立できておらず、改善点として指摘せざるを得ない要素となっています。
ある意味、3年間の"執行猶予"がつけられたと考えたならば、3年間で前述への対応を組織的に出来る状態を作り上げないと、3年後、「〜未実施減算」による経営悪化、利用者、職員、地域の信頼や信用にも応えられなくなってしまうことを想定しておくことが必要です。
経営層だけではなく、中堅層、一般層も巻き込みながら、計画的に進めていきましょう。
現場におけるデジタル化と情報の活用(アウトカムへの対応)
LIFEへの情報提供や「科学的根拠のある介護」を確立していくためには、現場のデジタル化とさまざまな情報を活用したケアの提供が必要になります。
夜勤職員配置加算の加配人員の緩和や従来型の夜勤職員の緩和などについては、見守り機器の100%導入やインカムの使用など、現場のICT化が要件に位置付けられています。
介護報酬改定でご質問を多くいただくLIFEについて、厚労省から通知が発出されました。
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) March 15, 2021
Q&Aはまだ出ませんね。#介護報酬改定#LIFEhttps://t.co/Xuvn3VYMEL
主たる担当は事務長や介護課長といった経営層が対応せざるを得ないと思いますが、何より現場におけるデジタル化や情報を活用できる意識変革にも取り組む必要があります。
「パソコンが苦手です」では、介護職になれない時代になります。
といっても、そのような人材も現場で活躍できるよう移行(訓練)期間や情報集約の仕方などを現場で検討する必要があります(直感的に入力できるタブレットの導入や非正規職員はノート、正規職員がパソコンに入力するなど)。
コロナ対策の補助金により、現場のICT化も進んだのではないでしょうか。
個人的な意見ですが、#褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)は現場の取り組みを評価した改定といえますが、#排せつ支援加算(Ⅱ)(Ⅲ)については、特養の入所対象者を鑑みれば、どれぐらい存在するのか不透明に思います。
— 🍊福祉マネジメント&デザイン (@SW_MandD) January 18, 2021
アウトカムのハードルが高いと思いますが、皆さんの施設に対象者いらっしゃいますか❓ pic.twitter.com/VugmTLkHek
また新設された加算にはプロセス評価(下位)とアウトカム評価(上位)で単位数が異なっています。
例えば、特養における褥瘡マネジメント加算Ⅰはプロセス評価、Ⅱはアウトカム評価(褥瘡の発生がないこと)です。排せつ支援加算のⅠはプロセス評価、Ⅱ(排尿・排便の状態の少なくとも一方が改善するとともに悪化がなく、またはおむつ使用ありから使用なしに改善していること)・Ⅲ(排尿・排便の状態の少なくとも一方が改善するとともに悪化がなく、かつおむつ使用ありから使用なしに改善していること)はアウトカム評価です。
このアウトカム評価の根拠となる計画書や記録はデジタル化した中で集約していくことになります。
「パソコンが苦手です」では、このような「科学的根拠に基づく介護」の流れから出遅れてしまいます。
繰り返し申しますが、この3年間の猶予期間での対応を進めていきましょう。
管理人