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ため息俳句 花筏


 昨日洗車したばかりの車は、一夜明けてみると昨夜の少雨が運んだ黄砂が、朝には乾いてこびりついていた。
 こすると指先がうす黄色に汚れた。
 黄砂は遠くタクラマカンやゴビでおきた砂嵐で上空に舞い上がった極微小な砂粒である。
 シルクロードの上空を飛んで、そんな遠くからやってきたのだ。
 ニュースは、至る所で危機が存し、偏西風にのって不穏は拡散されれつづけていると、知らせている・・・・。
 それなのに、自分の場所では、ひとまずは不安を押し隠していられそうな気がしている。
 そんな気がするというだけなのだが。
 日々是好日。
 「ゆく川の流れは絶へずして」と長明さんがおっしゃる通り、そん風に日々は流れるのだが、「しかももとの水にあたず」であって、今日という日は二度と戻っては来ない。
 後になって振り返って、あの日々は何であったのかと、臍を噛むことのないように祈るばかりだ。

花筏はないかだ今日も明日もき日なれ  空茶


 とりあえずは、今日を過ごせたとして、・・・。

下校路をぺちゃくちゃうれし花の風   空茶

春の野良のらあがりて今日は甘納豆

ひむがしに白き月あり柿若葉

午後四時の鳥影しきり春障子

海へ往く約束度目ぬるき春

黄砂降る昨日も今日も暮らしてる