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ため息俳句46 レタス

 レタスは、春の季題である。
 畑では、ベビーリーフが育ちすぎて大株になっているが、それらもレタスの仲間である。
 三度の飯の調理係が自分の家事分担上の任務である。朝飯は、トーストとサラダとコーヒーとミルクバナナ、これが定番というより規則となっている。自分はどうでもよいのだが、我が連れ合いは、こだわりの人である。
 であるから、サラダはレタスとトマトをベースにというのも、動かしがたい。そこで、毎日、レタスをバリっと剥がし、パルパリとひきちぎっている。一玉、平均3.5日ほどで食べつくすので、一週間にふた玉、そのたびに新顔のレタスに出会うのだが、これがそれぞれに違っている。色つや、瑞々しさ、葉の形状、葉の巻き具合、等々。出会うごと、個性的で面白いものだ。
 レタスは、畑で作った自分の経験では、見た目よりも病虫害にも暑さ寒さにも強い作物であった。外見は繊細そうに見えるが、あれで芯は強いのである。人にも時折そういう人が居りますが。
 それと、レタスにはやはりトマトが連れ添うといいな、そう思うのだ。

   老い二人朝はレタスの暮らしぶり

   固く巻くレタスの香る3.11

   皺手にてがされ千切られてレタス

   レタス食ふ今朝の平穏知りてをり