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ため息俳句 彼岸花

彼岸の中日である。
墓参りでお寺を三か所まわる。

行く道々、彼岸花が咲いているか気になる。
知人が過日言っていたのは、高温のせいか今年の彼岸花は咲くのが遅いらしいと。自分はよくはわからないが、異常気象はあちこちで異変をもたらしているようだ。

でも、無事に、なにが無事かわからんが、彼岸花を見ることができた、これでお彼岸を実感できた。

こどものころ、この花を「ハッカケババア」とも呼んでいた。「死人花」とも。由来は分からないが、この植物の球根には有毒の成分があるので、それを警告するような意味があったのかも知れない。

幼き日辿れば燃ゆる死人花


そんな酷い呼ばれ方をされるのだが、その球根をよく水でさらして、毒性をぬくと、薬になったり、さらには飢饉の際には飢えをしのぐ食料となったと云うことは、よく知られている。
ちょうど今、この辺りでは稲穂が稔りはじめている、その田の畦に咲く彼岸花はは遠目にも鮮やかである。そうして、彼岸花は、夕暮れ時が一番きれいだと、自分は思う。

日ぞななめ田ごとふちどる彼岸花