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ため息俳句 痩せ秋刀魚

 今晩も秋刀魚を食べた。
 今年も、また痩せた秋刀魚ばかりである。
 むかし、外食生活であった頃、行きつけの定食屋で焼き魚定食を食べていた。シャケ、サバ、ホッケ、いろいろあったが、秋刀魚が一番季節を感じさせてくれた。
 大根下ろしを添えた秋刀魚、お新香、小鉢の冷ややっこ、きんぴらが少し、それに味噌汁。野菜やそれにポテトのサラダを追加したりした。その秋刀魚は立派な姿をしていた、食べ応えがあった。
 しかるに、今日妻がスーパーで買ってきた秋刀魚は、今年も哀れであった。
 そういえば、お袋は弁当のおかずに秋刀魚の開きを入れてくれた、秋刀魚の開きは好物に属していた。が、弁当箱の蓋を開けると匂うのである。ちょっとそれが恥ずかしかった。つけたせば、秋刀魚の塩焼きの苦い腸が美味しいと感じた時、大人になれたようでうれしかった。


秋刀魚焼く一日いちじつ無事の黄昏に        

やせっぽち秋刀魚のはらわた燃えている