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ため息俳句 五月雨

 目覚めると、雨の音。

五月雨るる築四十年の六畳間  空茶


 この雨音を、オノマトペで云うならなんと言えばよいだろうと、床の上で考えてみたのだが、思い浮かばなかった。 
 耳を澄ませて聞いていると、次第に自分が溶け流れて、消えて行くような感覚に囚われた。
 それが、案外心地よく、床の上で起き上がって、しばらくじっとしていた。