ため息俳句 魔女っ子
ハロウィンなる米国の祭りが、これほどまでにこの国で形だけとはいえ定着するとは、思っていなかった。
先の日曜日に娘の家の孫の女の子二人の方は、魔女の扮装なんぞの格好をして近所の子供たちと、日暮れまで遊んだらしい。あのミテネという動画が送られてきた。
息子の家の男の子二名は、妙なマントと帽子をかぶっていたが、あまり気のない表情で、こっちは爺ィの根暗な性格が遺伝した恐れがある。やはり、ノリの良さでは女児が圧倒している。
息子一家は、やや田舎暮らし、娘一家は東京暮らし。どこに住んでいても、ハロウィンは、浸透しているらしい。
さて、この頃「世界」がなんだかフィクションのように感じることがしばしばある。
バレンタインディも然り、ハロウィンも、クリスマスすら・・・。
渋谷辺りに浮かれ出てゆく若者達は、ずっと昔、クリスマスが家庭に入り込む前、飲み屋で浮かれていたのはおっさん達であった、あれのようなことだろうか。
そうとは言え、孫が黒いワンピースでポーズをとる姿は、浴衣すがたと違うかわいらしさだ。ハロウィンに手づくりのイベントを開いている親たちもこんな行事も通して新しいコミュニティを作っているようだ。
だが、なんだか、どうもしっくりこない。なんといっても、俺は爺さんだ。
はて、黒い帽子、いや黒頭巾なら知っている?
数年間の夏に見た西馬音内の亡者踊りを思い出した。
あれは、なじみ深い盆踊りである。
明日から、女の子の姉妹が遊びに来る。先ほど婆ァばが、一周懸命皮むきをした栗のご飯の握り飯をぱくぱく食べてくれるだろうか。日本の食い物をいやがる児になったら、大いに残念である。
ジーチャンは、ハロウィンなんて、知らんぞ。
十月尽魔女っ子姉妹はもう寝たか
秋の夢立待月の照り映えて
安ら夜をイスラエルの子へガザの子へ