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きさまらの首を手土産にしてやろうか💗『首』

《乱れ撃ちシネnote vol.207》

『首』  北野たけし監督 2023年 日本

鑑賞日:2024年6月21日 Netflix

【Introduction】
前々から気になっていた映画を観た。
24.06.16(13) - ☆☆- 「FALL フォール」 スコット・マン監督 2023年  Amazon Prime Video

「山でのフリークライミングの最中に夫・ダンを落下事故で亡くしたベッキーは、悲しみから抜け出せず1年が経とうとしていた。
ある日、ベッキーを立ち直らせようと親友のハンターが新たにクライミングの計画を立てる。
今は使われていない地上600mのモンスター級のテレビ塔をターゲットとして選んだ彼女たちは、老朽化で足場が不安定になった梯子を登り続け、なんとか頂上へと到達することに成功するのだが…。

~Filmarksより~

あまり期待していなかったけれどやっぱり全くリアリティを感じなかった。
ただし、高所恐怖症なので手に汗はかいたけど。

高所での恐怖を描いた映画では2001年にアメリカ同地多発テロ事件で崩壊されてしまったワールド・トレード・センターのツインタワービルの411メートルの最上階をワイヤーロープ一本で結び命綱なしで渡ったフィリップ・プティの実話をロバート・ゼメキス監督が描いた『ザ・ウォーク』が見事だった。

24.06.21(15) - ☆☆☆☆- 『首』 北野たけし監督 2023年 日本 Netflix
文句なく面白かった~。

映画の冒頭、
合戦で惨殺された無数の死体を描いたグロテスクな俯瞰ショットから目を引き付ける。人間の手首をくわえた犬が埃っぽい道路を横切る黒澤明監督の『用心棒』のイントロを思い出した。

1989年のデビュー作『その男、凶暴につき』以来2014年7月現在までに公開された作品19本をすべて観ている。
おおかたの作品は面白い。

北野武は映画ならではの面白さを描ける世界に通用する力のある監督で
『首』は『座頭市』(2003)以来久々の時代劇だ。

【物語の概要】
“天下統一を掲げる織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを繰り広げていたが、その最中、信長の家臣・荒木村重が反乱を起こし姿を消す。
信長は羽柴秀吉、明智光秀ら家臣を一堂に集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索を命じる。
秀吉の弟・秀長、軍司・黒田官兵衛の策で捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀はなぜか村重を殺さず匿う。村重の行方が分からず苛立つ信長は、思いもよらない方向へ疑いの目を向け始める。
だが、それはすべて仕組まれた罠だった。
果たして黒幕は誰なのか?権力争いの行方は?史実を根底から覆す波乱の展開が、“本能寺の変”に向かって動き出す―衝撃に備えよ。”

〜u-nextより〜

【Trivia & Topics】
✥本作品について。
北野武自らの小説をもとに映画化されています。

第76回カンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映され5分間のスタンディングオベーションで熱狂的に迎えられました。
第47回日本アカデミー賞で加瀬亮が優秀助演男優賞を受賞しています。

これほどまで全編首が切られる時代劇はなかったと思います。
血に塗れた戦国の武将たちの権力欲、派閥、切腹、打首、陰謀、同性愛などがこれでもかと描かれている異色の時代劇スペクタルです。

✥個性的な役者たちが醸し出すアンサンブルが魅力です。
・織田信長(加瀬亮)
・羽柴秀吉(北野武)
・徳川家康(小林薫)
・明智光秀(西島秀俊)

・荒木村重(遠藤憲一)
・難波茂助(中村獅童)
・曽呂利新左衛門(木村祐一)
・羽柴秀長(大森南朋)
・黒田官兵衛(浅野忠信)
・千利休(岸部一徳)
その他、大竹まこと、寺島進、桐谷健太、荒川良々、六平直政、
勝村政信など個性的な役者たちが彩りを添えています。

残念ながら本作の北野武の演技はちょっと・・・でしたが。

【鑑賞ガイド】
😁😁😁😁
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【巷のうわさ】
Filmarks:☆☆☆★(3.7)

Netflix

予告編


p.s.
このところ以前書いていたブログ「万歩計日和」をGoogleカレンダーに毎日こつこつ転記している。
「万歩計日和」は2002年2月2日、54歳の誕生日から2020年6月14日まで6,707日間書き綴ったブログだ。
全部転記しても1年はかからないだろうから気長に続けるしかない。
ちょうど今日転記していたら偶然に『座頭市』を観た日のことが書かれていたので、ご笑覧ください。

TITLE: おもしろ~い!座頭市(9,420歩)

思いがけないキャスティング、そして、まさかな企画だったのね、北野武監督・主演の座頭市ってのは。
その、まさかな座頭市が、第60回ベネチア映画祭のコンペティション部門で「監督賞」受賞、その他「オープン2003賞」(ラ・ビエンナーレ)、「観客賞」(プラステック・レオ-ネ文化協会選定)、「フューチャー・フィルム・フェスティバル DIGITALAWARD」(ボローニャ市で同時開催)を同時受賞した。
そいつは凄いってんで早速川崎チネチッタに管理人ともども見に行く。
川崎チネチッタは、都内では満員で入場出来ないような映画でも、大抵ゆっくり見られる。
画面が小ぶりなのがちょっと残念だけど全席指定席で、館内もキレイなのがうれしい。
6時50分の回に入場。
北野監督の映画はビデオで見たものも含め、過去の10作品を全部見ている。
っで、その10作品は、
☆大好き!
「その男、凶暴につき」
「3-4×10月」
「あの夏、いちばん静かな海」
☆好き!
「キッズ・リターン」
「菊次郎の夏」
☆ブンゲー作品はちょっと...
「HANA-BI」
「ソナチネ」
☆つまらない
「BROTHER」
「DOLLS」
☆何なのこれは?
「みんな~やってるか!」
つまりは、大好きな部類に入る監督なのね。
つ~か、北野武という人が大好きなわけ。
同世代のヒーローだね、この人は。
っで、座頭市。
冒頭の、やくざに絡まれた座頭市が一瞬にして彼らを切り捨てるシーンからして、お!「用心棒」つかみはOK!!
そして1時間56分、まるで黒澤明監督へのオーマージュのような見事な「座頭市」を堪能した。
セットよし、衣装よし、物語単純でよし、テンポ抜群、随所にちりばめられたリズミカルな演技よし、ユーモア良し、役者の面構えが画面のコントラストを強めていてよし、音楽が効果的、何よりも監督北野武よし、もちろん主演北野武よし、そして忘れていけない編集北野武よし。
何のイチャモンをつける余地のない王道エンタテイメント。
強烈に印象づけられている勝新太郎の座頭市をリメイクするという大冒険を見事にクリアーするばかりでなく、素晴らしいクオリティで斬新なたけしの座頭市を創造した。
シリーズものにしてもらいたいくらいだ。
語りたいことはいっぱいあるけれど、一言で言えば、ぜひぜひぜひ映画館へみなさま。
こ~いう面白い映画が1800円は安い。
これでもかこれでもかのやりすぎCG映画に食傷する今、アンプラグドな「座頭市」からは役者の肉体から発散される汗のかおりがぷんぷんする。
こ~いうのが映画だよな~、なのね。
生前の黒澤監督が北野作品を見た直後、北野武に一通の手紙を差し出した。
"日本映画をよろしく"。
その言葉がしっかりと実を結んだことを確信した。
ってなことで本日は店仕舞い。
また、明日。
本日の見聞録
・[映画]「座頭市」北野武監督(チネチッタ4)
・噂の眞相10月号
・本「大阪の神々」わかぎえふ著(集英社文庫)

【2003.09.11 付万歩計日和】より


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