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イタリアの片田舎のちいさな古本屋の店主と移民の子どもの友情物語💗『丘の上の本屋さん』

《乱れ撃ちシネnote vol.217》

『丘の上の本屋さん』 クラウディオ・ロッシ・マツシミ監督 2021年 イタリア

鑑賞日:2024年8月5日 Amazon Prime Video

久しぶりだな〜リュック・ベッソン監督の映画は。
24.08. 03(04) -☆- 「ドッグマン」 リュック・ベッソン監督 2024年
キレの良い映像と力強い音楽とジャン・レノの魅力で引き込まれた『グラン・ブルー』(1988)でリュック・ベッソン監督の名前を知り、
その後『ニキータ』(1990)、『レオン』(1994)と立て続けに楽しんだけれどその後の作品は今ひとつピンとこない。
この作品も何だかな~な作品でリュック・ベッソン監督への思い入れがドンドン薄れていく。

24.08. 03(05) - ☆- 「銀平町シネマブルース」 城定秀夫監督 2023年
映画館を描いた作品は印象的な作品が多い。
『ラストショー』(1971)『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)「海辺の映画館~キネマの玉手箱~」(2020)『エンドロールのつづき』(2021)、どれも映画と映画館への切ない想いが溢れている。

残念ながら『銀平町シネマブルース』には切なさが感じられず35分で途中下車してしまった。
城定秀夫監督は『アルプススタンドのはしの方』が大笑いするほど面白かったのに。

映画館を舞台にした映画と同じくらい好きなのが本屋さんの映画だ。

ユー・ガット・メール』(1998)、『天国の本屋~恋火』、『チャリング・クロス街84番地』が印象に残っている。

ということで選んだのがこの作品。
24.08. 05(05) -☆☆☆- 「丘の上の本屋さん」 クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督 2021年 イタリア  Amazon Prime Video

【物語の概要】
ゆっくりと時間が流れるイタリアの片田舎の村のあるちっちゃな古本屋さん。
いったいこの店には一日に何人お客さんが覗きにくるんだろう。
村の仲間しか来ないんじゃない?と心配するほど客の気配が少ない店内のカウンターで老店主は読書に耽っている。

ある日移民の子どが店頭に並んだマンガを眺めている。

「マンガが好きかい」と店主が優しく声をかける。
「うん、でも買えないんだ」
「どこから来たんだい?」
「6年前に家族と一緒にブルキナファソから来たんだ」
「どれでもいいよ一冊貸してあげるから明日返しにおいで」。

本を返しに来た移民の子に、
「どうだい、今度はマンガではなくこの本を読んでごらんよ」と
店主が差し出したのは「星の王子様」。

本を返しに来るたびに店主は次はこれかなと「ピノッキオの冒険」「ロビンソン・クルーソー」を少年に貸し出す。
少年に差し出す本はマンガから児童文学に、そして中編小説、長編小説、専門書へと変わっていく。
店主は少年から感想を聞き出しながら物の考え方や知識の深め方などを諭していく。

時折店に顔を出す常連の古書収集家、大学教授、神父、SM本好きの女性との会話などが豊かな時間を醸し出す中で老店主と移民の子の友情が育まれていきます。

何も事件は起こらず波風も立たず、毎日一冊本を借りてむさぼり読む少年は着実に大人へと成長していく。
静かに淡々と語られるしみじみとした作品でした。

【Trivia & Topics】
✥チビッテラ・デル・トロント。
石畳の道、歴史を感じる石造りの家、イタリアで一番狭い階段がありイタリアで唯一陥落しなかった城塞のあるイタリアで最も美しい村の一つと言われている人口4,900人のチビッテラ・デル・トロントで撮影されました。

【鑑賞ガイド】
😁😁😁
~~~~~~~~~~~~~
😁😁😁😁😁:見事な作品。
😄😄😄😄:お勧めです。
😀😀😀:楽しめます。
😔😔:苦手です。
🥵:途中下車。

【巷のうわさ】
Filmarks:☆☆☆★(3.7)

Amazon:☆☆☆☆★

u-next :☆☆☆☆



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