【IndieGame界隈トピックまとめ】「パルワールドが歴史的快挙」「大人気VTuberによる“黒歴史”自作ゲーム配信」など|1/19~1/25
瑞牆(みずがき)です。
元ゲーム会社勤務・現小規模ゲーム開発者の筆者が、IndieGame界隈のトピックを毎週木曜日にまとめています。
インディーゲームは"好き"を形にする領域ですが、より多くの人に遊んでもらうためには界隈の情報が必要不可欠。ゲーム界隈の方が、スキマ時間に直近のトピックスをサクっと追えるマガジンにできたらと思っています。
それでは今週のトピックスをご覧ください。
【1】「パルワールド」がリリース5日間半で800万DL
2024年1月19日にリリースされた株式会社ポケットペアのモンスター収集サバイバルゲーム『パルワールド(Palworld)』が、Steam版売上で700万本を達成しました。ポケットペアは『Overdungeon』『クラフトピア(Craftopia)』を手掛けた会社です。
国産のインディー・ゲーム(と呼ぶべきでなければ独立系ゲーム・小規模ゲーム)が世界的大ヒットということで……ますますIndieGame界隈がビジネス的な注目を集めるきっかけになりそうです。
『パルワールド』関連で押さえておくべき基本的事項は以下です。
(1)アートやゲーム性の類似について
あえて深くは触れませんが「某国民的ゲームに似ている」「さまざまな大作ゲームの良いところどりだ」と議論を呼んでいます。
(2)リリース3日前のポケットペア代表のnote記事
ポケットペア代表取締役・溝部拓郎氏によるnoteが話題です。
パブリッシャーと商談したが全敗したため自費で開発をすることにした。
まずは半年でOverdungeonを作った。
パルワールド開発で全く予算管理をしなかった。
クラフトピアの利益である約10億円をオールインした。
ゲーム好きのフリーターを重要ポジションに起用した。
…などなど、まるで漫画『トリリオンゲーム』のようなドラマチックな展開が記されています。
(3)パルワールドの初出はINDIE Live Expo 2021
noteに以下の記載がありますが、ここでいう「イベント」とは「INDIE Live Expo 2021」のことでした。
生放送のアーカイブに該当シーンが残っていましたが、以下が初出映像です。
お金も時間もかかるゲーム開発。せめてものリスクヘッジとして、最初にティザーをリリースし、世の反応を見てから開発するという手法はクレバーかもしれませんね。
【2】「ニディガ展2」が開催
大人気ゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』の2周年を記念した展示会「ニディガ展2」が秋葉原で開催中。現在は物販コーナーには無料で入場可能とのこと。
筆者も遊びに行きましたが、女性のファンがとても多かったのが印象的でした。グッズの数も多く、もはやいちゲームではなく、マーチャンダイジング(グッズ販売事業)やメディア展開、"超てんちゃん"というキャラクターとの企業タイアップなどでも収益を作れるIPとして成立しています。
【3】「東京ゲームダンジョン 4」が1月20日(土)・21日(日)に開催
今回も楽しそうなゲームが目白押しでしたが、筆者が特に気になったのは以下の3作品です。
①メタバースで生活する少女たちを襲う"バグ"を修正していく謎解きADVゲーム『トワエデン』
②失踪したアイドルのSNSを「ストーキング」して真実を追求する謎解きADV『プリコラージュ -IDOLIZED-』
③恋人を名乗る知らない人の正体をインターフォン越しに探るゲーム『Inverted Angel』
いずれも不穏でホラーなテーマを、あえてピンクとブルーのKawaiiアートで扱う作品群。そしてUIが、PC画面・SNS・インターフォンなど、現実と地続きな電子的デザインとなっていることが特徴的です。
『NEEDYGIRL OVERDOSE』や、古くは『Her Story』的な、プレイヤーと作中の境界を曖昧にするような想像力にワクワクしますね。ピンクとブルーというカラーリングは、古からKawaii文化の必殺技だと筆者は思っており、大好きです。
(『ジョジョ』の作者の荒木飛呂彦先生もピンクと青は必殺技だと仰っていますし。)
【5】マイクロソフトが「Indie Selects」発表、IDゲームのPRを強化
Xbox ストアでの、インディーゲームの広報が強化されるとのことです。具体的には以下のようなチャンネルが誕生するとのこと。
「注目のインディーズ」という項目が新設。ID@Xbox チームがオススメする最近のインディーズゲームが取り上げられる。
毎週のテーマに合わせたゲームがローテーションで選出、ピックアップされる。
毎月の最終週に、 6 つのタイトルを選出して「インディー セレクト」で紹介する。
最近はIndieGameクリエイター向けのカンファレンスにも、マイクロソフトの担当者さんが登壇され、XBOX GAME PASSでのリリースを促すなど、注力具合が伺えます。同人シーンに留まらない勢いを感じますね。
【6】大人気VTuberによる“黒歴史”自作ゲーム配信スタート
ホロライブ所属VTuber・宝鐘マリン氏による“黒歴史”自作ゲーム『TheSecondWorld(セカワー)』の配布がスタート。
ゲームは無料でDropboxからDLできます。
学生時代の宝鐘氏による漫画を原作にしつつ、「RPGツクールVX」で制作・調整を加えたRPGとのこと。
【7】インディー開発者、中国パブリッシャーとの契約とお別れの経緯を語る
ゲームブック風RPG『いのちのつかいかた』の開発者・だらねこ氏によるnoteが話題……というか興味深かったです。
「なぜ中国のパブリッシャーと組んだのか?」「パブリッシャーと組む時に注意した方が良い点は何なのか?」といった知見が具体的に記載されており勉強になります。
【8】今週の注目ゲーム
今週はトピックが盛りだくさんだったので全てを遊べてはいないのですが、SNSで話題にのぼったいくつかの作品をピックアップします。
(1)『TO:NORTH』
「どうしても南を向けない主人公」をAIとして北に連れていく短編アドベンチャーゲーム。ゲームクリエイターの紅狐氏の作品です。
紅狐氏は『DON’T SAY YES』でも、ネタバレ厳禁なシナリオと、ゲームであることを活かしたギミックで、SNSで話題になった開発者さんです。
(2)『Romp of Dump』
ザクロスケ氏によるクズ囚人観察ADV。無料なのに、ぬるぬるキャラクターが動きます。動きすぎます。非常にリッチな同人ソシャゲとも呼ぶべき作品。
(3)『The Glitch Prison』
世界に「バグ」が存在することに気づいた囚人が脱獄を目指すゲーム。強烈なビジュアルからSNSで拡散されました。評価自体は現在「やや不評」ですが、アイデアが面白いですね。
(4)『未解決事件は終わらせないといけないから』
記憶のパズルのピースを探して組み替え、未解決事件の謎を解く推理ゲーム。筆者はまだプレイできていないのですが、短編ながら記憶に残る体験になると話題です。Steam版の販売本数は観測上20,000本超えほど。
【9】ゲームクリエイター・ニカイドウレンジ氏の「ゲームデザイン相談室」が大人気
以下のように募集が開始されましたが、応募が殺到し一時中断されています。
ニカイドウレンジ氏といえば直近では「坊主がクレーン車で除夜の鐘を叩くゲーム」をヒットさせた開発者さんです。
【10】忘れちゃダメ! 近日開催のIndieGame系イベント
筆者の備忘録を兼ね、近日開催されたり参加が締め切りとなるIndieGame系イベントをまとめています。
(1)台北ゲームショウ2024
開催日:2024年1月25日(木)〜2024年1月28日(日)
(2)【締切】ニコニコ自作ゲームフェス2023(エントリー)【コンテスト】
エントリー期間:2023年8月22日(火)~2024年1月31日(水)
(3)TOKYO SANDBOX 2024
エントリー期日:2024年2月15日
開催日:2024年4月28日(日)
(4)TOKYO INDIE GAMES SUMMIT
開催期間:2024年3月2日(土)〜2024年3月3日(日)
(5)東京ゲームダンジョン5
開催期間:ゴールデン・ウィークを予定
【おわりに】
お読みいただきありがとうございました。
毎週木曜日に今後も自分のペースでまとめていけたらと思っています。
連載しながら情報感度や精度を高めていきたく、もし「こんな出来事もあったぞ」「うちのゲームも掲載しておいて」など、ご指摘やご要望がありましたらお気軽に筆者のXアカウントのDMまでご連絡くださいませ。
それではまた次回。