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自分が凸凹だからまあるい場づくりができる
「場づくりをする人は、凸凹の人が向いているのかもね。」
先日開催したすがおハロウィンというイベントに参加してくださった方から言われた言葉。確かにそうだよなあ、としっくりきました。とても良き場だったので、私が大切にしている場づくりの哲学も含めてイベントレポートを書いてみます。
仮装ではなく、すがおで過ごす「すがおハロウィン」
先日、都内で「すがおハロウィン」というイベントの場づくりを担当しました。
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一般的なハロウィンは仮装をしますが、私たちのつくる場はゆるっとした服装で、ありのままのすがおで美味しい料理とお酒をお供に対話をしようという企画。
前回恵比寿で主宰したアートや自己表現を楽しむイベント、「好きに生きる未来への前夜祭」に来て下さったよしさんが、「自分も何か料理という自己表現でイベントをやりたい。」と声をかけてくださって実現したイベントです。(こうしてバトンが繋がれていくことが喜びだなあ。)
コンセプトの壁打ちから参加させていただき、発起人よしさんの想いを聴きました。(コーチングのスキルがあって良かった瞬間)
2時間の対話を経て、よしさんの根底にあった想いが明らかになりました。
「コロナ渦でずっとマスクを外せない世の中に、すがおを取り戻したい。」
感情で言えば、怒りと寂しさ、願いが入り混じったはじまりでした。
怒りは創造のエネルギー、というのは本当ですね。よしさんの憤り、モヤモヤを紐解いていくとそこには「こんな世界だったらいいのに!」という澄んだ願いがありました。
場への願いが込められたマニフェスト
コンセプトを、場づくりにも。ということで、4つのマニフェストを作成しました。(そして階段やトイレなど、会場の色んな場所に貼りました!)
肩書きよりも想いを聴こう
賞賛よりも共感を伝えよう
謙遜よりも素直に受け取ろう
同調よりも好きに振る舞おう
今回のマニフェスト、個人的にも普段から大事にしている在り方で全部大好きなのですが、とりわけ私がすがおハロウィンで大事にしていたマニフェストは、「肩書よりも想いを聴こう」です。
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大人数のつながりの場、大人になってからの初対面の場ってどうしても「お仕事、何されているんですか?」「へぇ、スゴイですね!(または反応薄)」というやりとりになりがちですよね。そんなギラギラした空気感に疲れちゃって大人数って苦手、という人も多いはず。(私もその1人)
いつも場に来てくれる友人から、「普段大人数苦手なんやけど、美月の創る場なら大人数でも大丈夫って思えるんだよね」と言われたことがあります。
それはたぶん、社会的ものさしによるジャッジメントをできる限り排除しその人のままで居られる安心感や安全性を大事にしているから。
ゆっくり遅刻しても、非効率でも、役に立たなくても、何もしなくても良し。
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これは私が人生の休息期をとって感じたことですが、何気ない「あなた何の仕事をしているの?」という質問がしんどいと感じる時もあるんですよね。
そういう感覚は、私自身が凸凹人生だからこそ大事に出来るのかもしれません。
キャリアや肩書があってこそではなく、"その人自身"とつながってほしい。
私が人と人をつなげる時に一番大事にしていることです。
人脈ではなく、温度感のある関係性を紡ぎたい。そんな願いが込められています。
メニューにストーリーとこだわりを
よしさんは普段から趣味でお料理をしています。現在は月1でカフェを間借りして生パスタ屋さんをしています。ですが実は、普段は会社の管理部門に所属しています。参加者の方々からも「え、飲食が本業じゃないの!?」と驚くほどのハイクオリティ。もはや趣味のレベルを超えて、ガチです。
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よしさんは我が家のホムパにも来てくださったことがあるのですが、早朝から釣りや朝市場に行って仕入れからこだわった食材を選び料理しています。
(「市場に行って~」とよしさんは当たり前のように言います。料理人!)
そんなよしさんが今回すがおハロウィンのために考案したオリジナルメニューがこちら。
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もう、メニューを見るだけでわくわくしてきますよね。最初の「仮面」から最後の「Spring」まで、1つ1つの料理名へ込めたよしさんの想いが伝わってきます。
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参加者に大人気だった田園風景を思い出させるバーニャカウダ。料理名は「郷愁」。都会での仮面生活に疲れたとき、人々は自然を求めて田舎に帰る。そんな物語をイメージして作られた一品。まるで畑で収穫するようにお召し上がりください。との説明付で自然のめぐみをありがたく頂きました。土まで食べられます。
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「承認」。●●ランク牛肉のタリアータ。コンセプトにちなんでお肉の肩書(ランク)も無表記。ありのままのお肉を、先入観なく舌で味わっていただくために。私もあなたも、ありのままどうぞ。
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最後は、「Spring」。花ちらしです。誰もが、同調圧力なく自分らしく表現できるように。個性が花開くイメージを込めたお料理です。
もう…、すごくないですか。ぜんぶ、アート作品ですよね。
しかも見た目の華やかさだけでなく、どれも本当に美味しくて身も心も満たされました。
デザートで感情にそっと寄り添う-Emotional Dessert
はじまりから終わりまで。頭の先から爪の先までこだわりを。最後はかずさんの「Emotional Dessert」でみんなの表情がぱっと華やかに。
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嫉妬、安堵、哀しみ、寂しさの4つの感情をイメージしたスイーツたちが並びました。圧巻の光景…!
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かずさんも、ホムパ常連さんで本当にいつもいつも美味しいスイーツを創ってくださる我が家のパティシエです。
私やパートナーのお誕生日にも、人柄をモチーフに唯一無二の心あたたまるケーキを創ってくださる天才です。
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そんなかずさんにも今回お声がけして、一緒にイベントを創ることに。実はかずさんも、普段の顔は金融マン。お菓子づくりは趣味です。(もはや趣味のレベルを超えていますが)
かずさんは、口数は多くないけれど言葉を丁寧に紡ぎ核心をつく感性の持ち主です。
そんなかずさんが徹夜で創った愛情たっぷりのお菓子たち。私は哀しみがメタファーのフォンダンショコラを頂きながら、最近あった哀しかったエピソードを思い出し、哀しさという感情とお菓子を共に味わいました。
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そうそう、哀しさってドロッとしてて、でも奥底にある「本当はこれが満たしたかった!」という願いは甘いんだよね…。
みんなの感情受け止める「すがおかぼちゃ」
料理とお酒、スイーツ以外のコンテンツは今回すごく悩みました…!
みんなでひとつのことをやるってなると少なからず同調圧力が発生する。没入できる人、できない人の分断が発生するのも嫌だよね。ワークっぽくなって食事にマインドフルになれないのも嫌だなあ、などと運営チームで何度も話し合いました。最終的に決まったのは、みんなの普段出せない感情を出してもらうようなかぼちゃを創ろう!というささやかなコンテンツ。
(写真のかぼちゃはパートナーのけんけんがつくってくれました。)
みんなに発した問いは、3つ。
・本当はやりたかったけど、コロナでできなかったことはなんですか?
・10月に一番感情が動いたことはなんですか?
・この世界に起きてること、ひとつだけ変えられるとしたら何を変えたい?
問いに対し、みんなの回答を受け止めてくれたすがおかぼちゃにはそれぞれの想いが並びました。
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以下、一部抜粋してご紹介します。
問い:本当はやりたかったけど、コロナでできなかったことはなんですか?
ー大好きな旅行や家族の顔合わせ、ハグがコロナで出来なかった…。合コンもしたかったなあ。
問い:10月に一番感情が動いたことはなんですか?
ー引っ越しや転職、好きな人とパートナーになれて心が動いた。親族が亡くなって悲しい。今ここに居られて嬉しくて感情が動いている。
問い:この世界に起きてること、ひとつだけ変えられるとしたら何を変えたい?
ー評価や争いの無い世界、資本主義ではなくて思いやりの世界、自分が100%正しいって思っていい世界、外見の差別が無い世界、みんな犬になる世界…など色んな本当はこうありたいなどが素直に表現されていました。
凸凹だからこそ、まあるい場ができる
参加者の方から言われた「場づくりをするのは凸凹の人が向いているかも」という言葉。確かにそうかもしれません。
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今回のすがおハロウィン、運営チームは4人でした。主催&お料理担当よしさん、スイーツ担当のかずさん、アイデアと集客、場づくり担当のわたし、そしてイベント全体の進捗管理&場づくり担当のけんけんです。
私は、何かを思いついたりはじめたり、安心感のある場をセッティングしたり、人を集めることは得意です。一方それ以外のことは本当に出来ません。出来ないことは努力しても本当に出来ない。
通知表で言えば、科目によっては5もあるんだけど1もたくさんある、強みと弱みの凸凹タイプです。
今回も、メインコンテンツとなる美味しいお料理やスイーツをメニューからクリエイティブに創ってくださったのはよしさん、かずさんです。
彼らは彼らでそれが得意であり、強み、個性です。逆に言えば他のことはあまり得意じゃないかもしれません。
それを補うべくこのイベントの進捗管理や予算管理はパートナーのけんけんがすべて仕切ってくれていました。彼がいたから日々のミーティング運営やタスク管理、予算の管理は他のメンバーは気にすることなく自分たちの強みに集中して準備出来ました。(本当に細かな部分まで目くばせしてくれてすごいの)
そして当日の運営は、「手伝うよ!」って言ってくれたもんさん、おっきーさんに委ね手伝って頂きました。お二人とも場を包んだり盛り上げたりすることが得意で、信頼しきってお願いをしていました。
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思ったより提供時間が伸びてしまって、会場レンタル時間が延長しそう!って時には参加者のみなさんがそれぞれ自発的に片づけをしてくださり(むしろ私は話し込んでいた)、あっという間に会場が綺麗に元通りの状態になって延長せずに済みました。
運営が凸凹だからこそ、足りない部分はできる人が補ってくれる。自分で全部を完璧にしなくても、漏れがあってもみんなでサポートし合い、場が自然につくられていく。
そんな瞬間をたくさん見ました。
当日になって「会場が思いのほか広かったから用意したキャンドルが足りなそう!誰か助けて!」と参加者グループにヘルプを出したら色んな方が持ってきてくださり。
お料理やスイーツ提供も「持っていきますよ」と各々が自発的に声をかけあって。洗い場も手伝ってくれる方が入れ替わり立ち代わり…。
会場に1人だけだった子どもと遊んでくれるお兄さんがいたり。
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そうやって、何か指示や管理をしなくても調和が生まれていく場が好きだし、それが出来ていくのは運営チームが凸凹で不完全でまったりしているからなんだろうなあ、と思いました。
凸凹が集まれば、自然にまあるい場になっていく。
そのことが、嬉しいし、尊い発見でした。
みんなが無理して完全なまるにならなくてもいいんです。
むしろ、凸凹こそが個性であり、その人の強みだから。
これからも、凸凹が愛される場をたくさんつくって行くので興味がある人はぜひお声がけくださいね!もしかすると、商店街のガラガラくじが当選するくらいの確率で、私からも突然お声がけするかもしれません(笑)
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ありがとう。
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![みづき @コーチ/アートセラピスト](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96763175/profile_3a2a6476c7a44721d2af599695c7e6f8.png?width=600&crop=1:1,smart)