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美術館さえ興味がなかったわたしが、グループ展に参加するまでの物語。

グループ展ポスター

この記事は、2021年11月、大崎のギャラリーで開催するグループ展に来て下さった方、一緒に開催してくれた仲間向けのお手紙です。

まずは、グループ展にお越し下さりありがとうございます。

私は、絵なんてずっと描けない。そう"思い込んで"いました。

特別美術の授業の点数が良かったわけでもないし、
絵だってあまり描いた記憶がありません。

でも、今こうしてグループ展の参加メンバーの1人として、
絵を展示しているわけです。不思議ですよね。

きっかけは、今回のグループ展のメンバーが出逢ったアート合宿。私たち7人は、熱海の山の上のとある旅館で出逢いました。

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ちょっと個人的な話になりますが、私は10歳でパニック障害を経験し、30歳になった現在でも、時折パニック状態になることがあります。そんな特性を抱えているので、私にとって個室の無い2泊3日のアート合宿は参加するのにとても勇気がいる選択でした。

私はこの特性を持ってから、マイルールを決めています。

心の奥から湧き上がってくる衝動(好奇心)が不安よりも勝ったら、怖くても不安でもとりあえずやりたい方に行動してみる。

つまり、「不安<好奇心(やりたい気持ち)」という不等号が成立したら衝動を選択してみる、というルールです。

アート合宿もこの勢いで参加を申込みましたが、
3日前くらいからお腹がいたくなるほどに不安を抱えていました。

運営のゆっこさんにも、同室の潤ピーにも症状のことを打ち明けているしきっと大丈夫。そう自分を励ましながら熱海に向かったのです。

結果として、アート合宿では一度もパニック症状は出ず、
むしろ普段以上によく食べ、よく寝て、たくさんの絵を描きました。

アート合宿主宰の峻介さんは、合宿初日にこう告げました。

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「描いてもいいし、お風呂入ってもいいし、散歩に出てもいいし、お昼寝してもいいよ。その時その瞬間の自分の心が赴くままに過ごしてほしい。」

そんな風に自由で安心した場を創ってくださったおかげか、私はただ居ること、存在していることに許可を出してもらったような感覚になり、
その時その瞬間の自分の気持ちを大事に、気が付いたら絵に没頭していました。

絵なんて、学生以来全くと言っていいほど描いていなかったのに、
合宿が終わったときには10枚以上のキャンバスが私の目の前には並んでいました。

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最初は、大きいキャンバスに全然描けなくて小さな小さなキャンバスばかり選んでいました。

それは私のそのときの状態(being)が、そう選択していたんだと感じます。

「大きなキャンバスだと、なんだか圧倒されちゃって。」

峻介さんにそう告げると、

「小さなキャンバスでいいから、自由に色々使って描いてみて。」

と伝えてくれました。今回展示しているものも、アート合宿で描いた「主観」と「くじらの絵本」から、どんどんキャンバスが大きくなっているのが一目瞭然です。

2泊3日のアート合宿を終えて、しんやくんから驚きの提案をされました。

「みんなでグループ展、やりませんか?」

私は絵に対する自信なんて全くなかったけれど、マイルールの好奇心が勝ったので、ぜひ!と仲間に入れてもらう選択をしました。

準備も何から何までみんなの力を借りてばかりだったけれど、
今こうしてグループ展を開催出来ていることに喜びを感じています。

もちろん、不安を抱きやすい性格なので開催までの間、様々な不安もありました。

個展をすでに開催しているメンバーもいるし、自分が納得する作品が描けなかったらどうしよう。私だけ世界観が無かったらいやだなあ。みんなの足を引っ張らないだろうか。不安に目を向けると、容易くそんな声に押しつぶされそうでした。

けど少し前に、ほりゆかさんがこう言ってくれたんです。

「私のホテル、ギャラリーからすぐの場所だから美月ちゃんがもし体調悪くなったら避難所として使ってね!」

私は、この優しさと心遣いが実はとてもとても嬉しかったんです。

自分は不安を抱えたままでも、人と違った特性があってもみんなと一緒に場にいていいんだ。
もし何かが起きたとしても、支えてくれる人たちがこんなにもいるんだと、
気付かせてくれたきっかけでもありました。

それからは、作品展までぎりぎりなのに絵を描きたいという欲求がすくすくと湧いてきました。キャプションのない「無題」の作品は、そこから描いた作品です。

私は不安のままだったし、今でも全然自信がないけれど。
仲間たちのおかげで実現したこのご縁と場にともにいられることが、
今はただ、とっても嬉しいのです。

だからもし、この展示に来て下さる人の中に、
一歩踏み出したいけど不安を抱えて「自分なんかにできっこないよ!」と思っている方がいらっしゃったら。

不安でもいい。怖くてもいい。
技術が無くたって、ヘタだっていい。
弱いままだって、強くならなくても大丈夫。
自分の在りたい姿は、世界は、自分で創りだしていける。


ほんの少しでも、そんな風に思って頂けたらと願っています。

今回のグループ展のタイトルは「Art is...」。

それぞれの「アートとは?」を作品に込めました。

私の現状の答えは、

Art is " Being".

アートというと大げさに聴こえますが、ただただその時の、作り手(表現者)の状態が表れているプロセスなのかな、と認識しています。

私が、小さなキャンバスにしか描けなかったように。
今なら、大きなキャンバスにのびのびと描けるように。

その時その時の状態が表れ出てしまうもの(表現されているもの)が、アートなのかもしれない、と思っています。

それは絵だけではなく、仕事、料理、ファッション、何かを表現したりつくったりすることすべてに通じるのではないでしょうか。

みなさんにとっての、アートとは何ですか?

ぜひこの問いを持ち帰って頂けたら嬉しいです。

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最後に、お洒落なサイトやポスターを担当してくれたクリエイティブな渓ちゃん。(私をイメージして描いてくれた絵、感動しました。)
SNSの運用方法などアドバイスしてくださった潤ピー。
個展の先輩として段取りを教えてくれたマリンダさん。
いつも可愛い笑顔で場を和ませてくれた晴香ちゃん。
愛のベールをまとい、素敵な感受性を持つほりゆかさん
そして何より、「みんなでグループ展やりたい」と提案してくれ、MTGから会場視察、何から何までリーダーシップを発揮してくれていたしんやくん。

お一人お一人がいてくださってこそ、このグループ展に私も居ることが出来ています。こんなにも素敵な仲間に出逢えたことこそが、人生の宝物です。

グループ展、うんと楽しみましょうね!

心から、ありがとうございました。

2021.11.09  河合美月



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