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【Tableau DATA Saber】クラスター分析を会計実務でどう使う?

製造業でデータドリブンを目指す、みずっちです。

本日はDATA Saberのord1 Q17であったクラスター分析の問題を見て使った事がなかったので(興味本意で)会計実務で使ってみたら思ったより使えたので記事にしました。

きっかけ

DATA SaberのOrd1 Fundamentalの設問Q17で、クラスター分析を使ってカテゴライズする問題がありました。経理畑の私にとってナニソレ、、、?まったくわからず、KTさんの動画を見てとりあえずは回答しました。
動画の中で、Tableauでは、クラスター分析(複数のメジャー項目の結果から統計手法を用いてカテゴライズする手法)が誰でも実現できるということと、「どういう原理かわからないから使わないというのは勿体ない」「道具として使えばよい」とのコメントがありました。
自分だったらどんなときに使うかなと考えてやってみた次第です。

 YouTube: DATA Saber Boot Camp Week1 "HandsOn - Fundamental"

今の高校生は授業で普通に統計を習うと聞いていて、より当たり前の知識や技術になるのかなあ、なんて思ったりもしました。

管理会計で使う場面はある?

管理会計ではKPIや目標値・予算・計画値・標準・前年平均・通常稼働時の理論値など、一般的には絶対的な基準で業務を実施していることが非常に多いです。クラスター分析では、相対的にデータを可視化するので、人間の感覚値を可視化するイメージと捉えられる分析かと思います。全体の中の相対的に高めのグループ・低めのグループを見ることができ、通常業務でどのように活用できるかというと、、、なんだろう。。

クラスター分析が使えそうなものって?
データ数が非常に多いもの。特に不特定多数でカテゴライズがあまりされていない明細情報など。これらに特徴がないか探索し、インサイトを得るものとしてすごく感覚的な理解をしてます。
BtoBの製造業ですと特定の顧客へのマーケティング、受注、売上、原価など、顧客、地域、業界、製品サービスの属性など分析軸がもともとあるのでピンとこない。分析しても当然の結果が出てきそう。。。

明細データ、且つあまりカテゴライズされていないものって、、、

あ!

「固定費、雑多にありすぎ」問題

経理系の方や部門長の方で予実を管理する人ならば、部門固定費の明細はいろんな勘定科目があって分類が実務上難しいというあるあるは実感が湧きますでしょう(会社による?)。「部門固定費、いろいろ雑多にありすぎ」問題です。
固定費の勘定科目は発注時に直接指定して計上するというより、購買依頼・発注側システムで発注パターンごとに判定された勘定で計上する思想の会社が多いのかなと思います。このパターンが多すぎて予算管理大変なんですよね、、、

SAP社のソフトでいうとAribaやConcurなどの購買や経費精算システムで計上されたり、ERP側で直接購買したり、システム面でも入り口から雑多になりがちな気がしていますが、、、それはそれとして、
クラスター分析でTableauさんにカテゴライズやってもらおうと思います。

では、クラスター分析で何かインサイトが得られないか見てみましょう。

【分析の前提】

データ:
会社の実データは当然社内でしか使えない、世の中で固定費データは公開されていないので、実データでやってみてインサイトがあった部分を盛り込んで、一から架空の製造業データエクセルで作ってます。

固定費の勘定科目:
給与・厚生費・償却費・旅費交通費・図書教育費・交際費・事務用品費
・消耗品費・業務委託費・各種税金などなど・・・

目的・課題(Task):
部門長や予算の取りまとめの方、来期予算で人数を増やして、人が増えるから固定費の予算多めに申請しようと思ってどんなコストも一律増やしている方や、何の勘定が人に依存する費用なのかわからず悩んでいる方はいると思います。人が増える=人件費が増えると仮定して、人が増えると他の固定費勘定も増えるのか、増えるのであればどんな勘定が増えるのかという課題で見てみます。

KKDの仮説:
人件費が増えると旅費交通費、消耗品、図書教育費などなど増えそう。
償却費はほぼ関係ないはず。さてどうなるやら、、

データ構造:
X軸に人件費(本当は部門人数がよいかも)、Y軸に人件費以外の雑多な固定費勘定を並べて、部門ごとに散布図を作り、クラスターはデフォルト設定です。

突出する部門=人件費と関連しない費用が多い部門

人件費と人件費以外の金額を部門ごとに散布図に

人件費少ないのに、固定費かなり高い部門としてクラスターで2部門が分類されました。

設備部門で設備関係費用、業務委託費、派遣費用
総務部門で交際費、水道光熱費をまとめて支払いと派遣費用。
仮説通り、人件費と関連しないです。
 (派遣費用は人件費カウントしたほうがよかった、、、)

2部門が大きすぎたのでこれらの部門を除外して
続きを見てみました。

今度は
IT部門:業務委託費(保守費用など)やリース・ソフトウェア投資結果で計上されるので人件費に相関は薄いですね。

次いで
 生産・製造部門:業務委託費や償却費、消耗工器具備品なども仮説通り

なるほどー

クラスター分析結果から、だんだんと数を減らして明細データと並べて確認→除外→確認、とを繰り返して行くと会社の固定費構造(人件費との相関)の理解は進みますね。

おおむね仮説通りでしたが、これって社内でマネージャークラスと予算をすり合わせる際にKKDになっているかも、、、とふと思いました。
「人が増えると増える固定費勘定はこれで、ほかは関連しない勘定」って自分でも明確に説明できていないし、全部門長が理解しているかな、、、自部門の人数が増減する際は、固定費予算のどの勘定を増減させるべきか・人に依存する費用とそうでない費用を予算立てるときに明示しておくと、みなさん予算立てやすいかもしれない。

ちょうど社内の管理部門と会話する機会があったので簡単に共有してきました。今度勉強会をすることになりました。

クラスター分析よくわからないけど、予算策定でカイゼンできる点はあるかも・こんな感じで理解できるんだなと感心してました。私自身もこんなあられもないグラフだけど、さらっとデータに触ることでKKDをデータドリブンにできるようになるかもと前進できました。

結論:管理会計でクラスター分析をどう使うか

①予算策定のとき
管理職の方は自部門の人数を採用で増やすときに人が増えるから固定費予算多めに申請しようと思ってどんなコストを増やせばいいのか迷うときがあるかと思います。そんな時クラスター分析で自社の固定費勘定で人に依存する費用とそうでない費用がわかっていれば予算策定時に役立つ(かも)。

②固定費構造の理解・教育するとき
長年経理をやっていてもKKDで何となくわかった気になれますが、新人や中途で入社された経理や管理部門の方に(Tableauの使い方と一緒に!)社内や事業の固定費構造を短時間でざっくり説明するのに使えそう。

ほかにも会計実務でこんな使い方あるよーというのがあればぜひコメントなどよろしくお願いいたします。


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