日記 #95 今日しか書けない文章
今日しか書けない文章がある。
何か美しい物事に触れたとき。素晴らしい文学に出逢ったとき。膝を打つ発見を得たとき。他人との会話で心打たれたとき。そういう時の「感動」を、言葉にしたい。
感動は時間が経つほど鮮度が落ちていく。「あっ!」と思った次の瞬間には感動の絶頂を通り過ぎていて、それを再現しようとあれこれ言葉を紡いでもしっくり来ない。むしろ言葉にすることで陳腐になる気がしてしまう。言葉はデジタルデータだけど感動はアナログデータだから、言葉にすることで失われている情報があるのかもしれない。
だからと言ってハナから諦めて言葉にしないのは勿体ない。デジタルな言葉からアナログな感動を再現できるのが人間の頭脳の特性だと思う。素晴らしい絵の複製を家に飾ったり、旅行先で見た素敵な景色の写真を額に入れたりするのは、人間の脳が絵や写真から当時の感動を再現する能力を(僅かかもしれないけれど)持っているからだ。
素晴らしいものに出逢ったとき、我々は感動のあまり涙を流す。できればその涙が乾くのを待たずに、筆を執りたい。
以上
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3/10の作業ログ
作業時間:1時間
作業内容:タイトルを考えた、前半部分を微修正した